2018/03/29
Wine
お花見におすすめの日本ワイン
お花見向きのワインというと、すっかりロゼがおなじみになりました。
—— 桜の花の満開に、色を合わせたロゼワイン ——
ぴったりのマリアージュですが、持ち寄るワインが偏ってしまわないように、今年はちょっと趣向を変えてこんなお花見ワインはいかがですか?
日本におけるお花見の意味
古来日本では、桜の花の咲く様子を見て、その年の収穫を占うという風習がありました。
桜の花がひらひらと舞い散るさまは、豊穣の象徴だったと考えられます。
大地のめぐみを感じるワインで、お花見を楽しもう
那須塩原の地元品種から造られるワイン
栃木県那須塩原で100年以上ぶどうをつくり続けている老舗「渡邊葡萄園醸造」。
こちらの四代目当主渡邊嘉也さんは、ボルドー大学留学の後、〈シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド〉に勤務、さらに世界的に活躍するワインコンサルタントのミシェル・ロランと共にサンテミリオンのシンデレラワイン〈シャトー・ヴァランドロー〉に携わり、またピション・ラランドが運営する〈シャトー・ベルナドット〉の立ち上げにも加わるなど、醸造家として綺羅星のような経験を積み重ねた人物です。
しかし、お目にかかるといつも、日本でワインを造ることがいかに難しいかを呟くように語られます。
そのお話しの奥には、燃え盛る情熱が秘められています。
4ヘクタールにのぼる畑には、先祖から受け次いだ棚づくりの古樹と、渡邊さんがボルドーから取り寄せた選りすぐりの国際品種が共存しています。
ことに、この地で長く育まれたナイアガラやベリーAの品質は抜群。
お盆休みに里帰りした家で出てきたような、懐かしいぶどうの味がするワイン。
しかし、しっかりと品質は高く仕上げられています。そのクオリティの高さは、流石のボルドー仕込み。
白のおすすめは、ナイアガラ(クラシックラベル)2017
マスカットのような爽やかで優しい果実味と、清冽な岩清水のようなのどごし、そしてワインとしての充実した旨味をたたえた、まさに日本のワイン。「ぶどうって美味しいな」とあたらめて感じる懐かしさ。
赤のおすすめは、マスカット・ベーリーA 樽熟成 (クラシックラベル)2015
あの夏の日に食べた、ぶどうそのものの味わいを思い出す人も多いでしょう。
なめらかで、やわらかく、果実味がありながら、料理にも合う辛口の赤。
どちらにも共通するのは、大地の香りが芬々と感じられること。桜の木の下で飲むには、まさに相応しい味わいです。
日本的な品種ならでは感じることができる「春の情緒」
大地の香りがする、ナイアガラとマスカット・ベーリーA。
そのみずみずしい味わいは、桜の木の下で飲むには、まさに相応しいものといえるでしょう。
今年のお花見には、そんな日本ワインはいかがでしょうか?