2016/12/14
Column
対策できる? 二日酔いを防ぐワインの飲み方
ワインに限らずお酒を楽しんだ翌日は、二日酔いになってしまうことがしばしばあります。
ワインを飲むときに覚えておきたい、二日酔いになりにくい飲み方、そのポイントとは?
二日酔いにもさまざまありまして……
江戸時代の古川柳に「酒の無い国に行きたい二日酔い たった三日で帰りたくなる」などというものがあります。
楽しいお酒をついすごし、翌日はまるで地獄の有様……ということは、酒好きには大抵身に覚えのあるもの。
バビロニアの酒場にも、古代ギリシャのバーにも、ひどい酔っぱらいがいたといいますし、平安時代に宇多院が催した大酒大会の記録には、院の御所で酷い粗相をする貴族の様子が記されています。
植木等ではないけれど、「解っちゃいるけど、やめられない」……いつの世でも酒飲みの気持ちというものは、そう変わらないものなのかもしれません。
二日酔いの種類について考える
「頭痛」と「だるさ」
ズキズキと頭が痛くなる二日酔いを引き起こすのは、お酒に含まれるアルコールやアデノシン、アセトアルデヒド、酢酸による、血管拡張作用です。
血管拡張作用は一方で気分を高めてくれるので、これでつい気を良くしてしまいがちですが、この状態が長く続くと血管が炎症を起こすため、血管が密集した頭が痛くなるというわけです。
「簡単にいえば脳がむくむんだよ。飲み過ぎた翌朝に、顔や足がむくむとの同じだよ」と医学系の人からいわれたことがあります。たしかに、「大きさの決まった頭蓋骨の中で脳がむくんだら、痛いだろうなあ」と、妙に納得してしまいました。
二日酔いのもうひとつのタイプに、だるく、気持ち悪くなる症状があります。
こちらの原因は脱水症状。アルコールには利尿効果があるため、たくさん水分を摂取しているようでいて、実際はそれ以上に身体から水分が抜けてしまうのです。この「軽い脱水症状状態」が、だるさや気持ち悪さの原因となります。
傾向と対策
したがって、血管膨張型の二日酔いの一番の対策は、「飲み過ぎない」こと(今、多くの読者の『解っているよ!』という幻聴が、筆者の頭の中に響き渡りましたが……)。まあこれが一番の対策と申せましょう。
折衷案的な対策としては、たとえばワインなら炭酸で割り、ショーレやスプリッツァーにする、という手もあります。
ショーレは、白ワインの産地南ドイツにおける、ランチの定番飲み物。大きめのグラスに注いだ白ワインにシャッと炭酸を加える、ただそれだけでできあがり。厳密にいうと、ワインに炭酸水を加えたものは「スプリッツァー」、ゲロルシュタイナーやペリエなどの天然発泡水を加えたものが「ショーレ」になります。どういうわけか、薄っぺらに水っぽくならないのは、発泡水に濃厚なミネラルが含まれているせいかもしれません。軽く、ほの甘い白ワインに天然発砲炭酸水を加えると、ちょっとシャンパーニュのような味わいに傾きます。
かつ、水分もより多くとることができるわけですから、脱水症状型の二日酔いにも効果がある……かもしれません。
ともかく南ドイツの人たちは、ショーレでランチをいただいて、午後も仕事に励みます。
いろいろなケースがあるわけで……
昔からよくいわれる二日酔いの対策に、食べながら飲む、という方法があります。しかし、これもケースバイケース。
特にワインは、食事と共に飲まれることが多いもの。しっかり食べているのに、二日酔いになってしまう——ということは、多々あるでしょう。
先ほど、二日酔いの頭痛は脳のむくみ、というお話をしましたが、むくみの原因は、多くの場合、塩分のとり過ぎです。美味しいワインについ釣られて、塩気の濃いおツマミを食べ過ぎているのでは? と考えると、耳の痛いことが多々あるような……
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Author: 高山 宗東