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2014/12/08

Column

【和のシーンに寄りそうグラス リーデル・オー】「銀座バードランド」

和のシーンに寄りそうグラスリーデル・オー

「銀座バードランド」

第6回目は、「銀座バードランド」の和田利弘氏です。

焼鳥とワインを結ぶリーデルのグラス

1987年、阿佐ヶ谷にオープンし、2001年に銀座へ移転した「バードランド」。茨城県奥久慈の軍鶏にこだわり、備長炭で仕上げた焼鳥はぷりっとした食感で旨味も強い。店主の和田利弘氏は、ワイン好きが高じて焼鳥に合うワインをそろえ、さらには早くからワイングラスの使い分けを提案してワイン愛好家の間でも支持されている。

「焼鳥と一緒にワインを味わう必要性はないんです。ですが、美味しいものを食べたいし、美味しいワインを飲みたい」と和田氏。
最近でこそ和食店でワインをそろえているところは増えたが、ワイングラスまで充実している店は珍しい。バードランドでは、ワインに合わせて大ぶりの『ボルドーグラス』や『ブルゴーニュグラス』を用意している。これも和田氏の「ワインをより美味しく飲みたい」という強いこだわりだ。結果として、自宅でも店でもワイングラスはリーデル製品がそろったという。
「自分で試してこのワインなら、このグラスがいいと思ったもので提供します」と言うワイン好きの和田氏らしく、ワインの風味、酸味、熟成感にマッチするグラス選びを心掛けている。食材からワイングラス選びまで、美味しく味わってもらうために妥協は許さない、それがバードランドの人気を支えているのだ。/p>

美味しさを求めるこだわり

アンギャル:こちらのお店はワインが豊富にそろい、グラスにもこだわりを持っていると聞きました。

和田:ワインを美味しく飲むためには、グラス選びが大切ですから。まだリーデルのワイングラスが日本で今ほど認知されていないころから、自宅で使っていました。大ぶりのワイングラスで飲むと、いつものワインがいっそう美味しくなる。香りも豊かに広がりますし、味わいも格段に美味しくなりますよね。

アンギャル

アンギャル:私が日本に来る前からワインとグラスのマッチングを考えている人とお目にかかれたのは、とても光栄です。アトモスフィア、グラスマッチング、サービス、フードマッチングの四つの大切な要素を〝ワインエンジョイメント〞と呼び、ワインの楽しみを広げるために必要だと私は考えていますが、和田さんはすでに同じことを実践していたのですね。ところで焼鳥の鶏肉は軍鶏を使うとのことですが、ワインと合わせるポイントはありますか?

和田:軍鶏は普通のニワトリと比べて筋肉質で、弾力もあります。当店で使っているのは、茨城県の奥久慈の軍鶏です。鶏の持つ脂分もあるので、酸のあるワインが合うと思いますね。酸があると、口中の脂をすっきりさせてくれて、また美味しく次の料理を食べることができますから。お店で用意しているワインは、酸の出方を基準に選んでいます。

アンギャル:なるほど。ワインリストの中にはオーストリアもあればフランスやイタリア産などいろいろでしたが、酸味を一つの基準にしているわけですね。

和田:焼鳥とビールもいいけど、日本酒やワインとも楽しみたい。きっと欲張りなんでしょう(笑)。だからワイングラスにもこだわってしまうんでしょうね。

ワインの美味しさを引き出すグラス

アンギャル:リーデルではステム(脚)のある通常のワイングラスのほかに、ステムのない「リーデル・オー」シリーズがあります。この「リーデル・オー シャンパーニュ」は、フルートグラスからステムと台座をなくしたワイングラスで、例えばカウンターに置いても安定性がありますし、和のインテリアとも調和しやすいデザインです。

和田さん

和田:ユニークなグラスですね。和食で使う器は、高さの違うものがいろいろあるので、そうした皿と皿の間の狭いスペースでも、このグラスならすっと置けて便利です。台座や脚がないので邪魔にならないし安定感もあります。仲間内でやるホームパーティーにも最適ですね。しかもワイングラスとしての機能は脚付きのリーデルグラスと同じだから、本当に申し分なし!

アンギャル:安定性と省スペース、そしてワインを気軽に楽しめるグラスが「リーデル・オー」です。すべて理解してくださってうれしいです。

和田:ブドウ品種によるグラスマッチングをさらに進めて考えるとワインの個性に合わせて選ぶのも楽しいですね。例えば、熟成したリースリングのいいワインを飲むときは、大ぶりなブルゴーニュグラスを使うと香りの広がりが大きくなり、味わいの複雑さも楽しめます。シャンパーニュなら、白ワイングラスを使うこともあります。お店では私なりにワインをもっと美味しく味わえるように、風味の際立つグラスを選んでいます。

アンギャル:グラスマッチングを突き詰めていくとそういう組み合わせもできますね。達人的なグラス使いは、さすが『ミシュランガイド』で星を獲得したお店のこだわりを感じます。

和田:使いやすい「リーデル・オー」なら、いろいろグラスを変えて楽しむこともできそうで、ワインも進むと思います。

アンギャル:ワインをそろえる和食店には、バードランドのようにグラスマッチングまでぜひ提案してほしいですね。本日はありがとうございました。

和田さん

<リーデル・オー シリーズ>

ビッグ・オー

気軽にワインを楽しめる脚や台座のないワイングラスとして、リーデル家11代目当主マキシミリアン・リーデル氏が2004年に開発したワインタンブラー。
脚付きのフルートグラスに比べて安定性があり、幅広いシーンでシャンパーニュやスパークリングワインが楽しめる。
フルートグラス同様にきめ細やかな優雅な泡立ちを演出する機能を備え、豊かな香りや味わいを広げる。倒れにくく洗いやすく、省スペースの収納を実現。オーストリア航空と共同開発され、ビジネスクラスで採用されるほど信頼されている革新的なワイングラスだ。

和田利弘さんプロフィール

ゲスト
和田利弘さんToshihiro WADA

1987年に阿佐ヶ谷で「バードランド」を開業。ワインと焼鳥が美味しい店として有名になり、2001年に銀座へ移転した。
焼鳥は、出身の茨城県の奥久慈軍鶏を使うほか、自家製パテや焼チーズなどの独自の料理もそろえる、海外からのお客も多い。
2004年、日本醤油協会より第2回「醤油名匠」大賞受賞。2010年、焼鳥店として初の『ミシュランガイド』の星を獲得。

ワイン王国

ワイン王国

この記事は2014年12月5日(金)発売「ワイン王国 No.84」に連載されました。
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ワイン王国 PDF(426KB)

  • Wolfgang AngyalWolfgang Angyal
  • リーデル・ジャパン代表取締役社長/リーデル社認定シニア・ワイングラス・エデュケイター

1965年オーストリアのチロル地方、クフシュタイン生まれ。 ホテルのサービスマンをしていた1985年、大阪で開催された第28回「技能五輪国際大会(World Skills Competition)」のレストランサービス部門に、オーストリア代表として参加。金メダルを受賞する。その後1年間、「辻学園 日本調理師専門学校」等で教授を務めるうち、日本の風土に惚れ込み移住を決意。オーストリアと日本をつなぐアイテムとしてリーデルグラスを選び、1989年よりその有用性を広める活動に専念する。2000年「リーデル・ジャパン」(現RSN Japan株式会社)代表取締役社長に就任。グラスとワインの密接なる関係を、最初に日本人に認識させた人物として知られている。
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