2014/02/03
How to
シャンパン(スパークリングワイン) 音を立てないスマートな開け方 3つのポイント
前回の記事にでてきたノンアルコールのスパークリングワインは、想像していた以上に美味しくて驚きでした。ノンアルコールビールがそうだった印象がありますが、ノンアルコールということだけではなくて、味わいもワインとして楽しめるようなレベルになると、今後さらに浸透してゆきそうですね。
1月もまもなく終わり、これから春にかけては入学試験の合格発表や、卒業式、入学式、入社、転勤など、年度の変わり目ならではの別れや新しい出会いも多くなってきます。新しい環境への旅立ちを控えているという方もいらっしゃるでしょう。
そんな祝いの席で飲みたくなるのが、華やかなイメージのシャンパーニュやスパークリングワインです。
古代ローマ時代、船の進水式には生け贄の地の代わりとして赤ワインが用意されたようです。
現代の進水式では、船体にシャンパーニュのボトルをぶつけて割ったりするそうで、F1の表彰式やメジャーリーグの祝勝会でのシャンパンファイトなどを見ても、シャンパーニュはもはやお祝いの場には定番のアイテムとなっています(タイタニック号の進水式では、1回でボトルが割れなかった・・・なんて不吉な逸話もあったそうです)
写真のようなセレモニーでは、スッポーンと音を立てたり、溢れ出る泡に歓声を上げるのが目的という場合もあるでしょうけれども、落ち着いたお祝いの席などでとっておきのシャンパーニュを開けるときなどは、音を立てずに「スーっ」とガスを抜くように抜栓するとカッコイイものです。
そんな「音を立てない」ソムリエばりの抜栓は、次の3つのポイントをおさえるとうまくいきますよ。
1)ボトルを冷やして、斜めにもつ
2)常に栓はしっかりとおさえる
3)栓を回さず、ボトルを回す
1)急激な泡立ちを抑制するため、ボトルを冷やして、斜めにもちます。
まずはボトルを冷やします。
年代物のシャンパーニュなどはあまり冷やしすぎない方が風味を楽しみやすくなるのですが、最初の乾杯用によく用意される、若々しく辛口のスパークリングワインでしたら、しっかり冷やしておきましょう。
ワインの液体からのガスの湧出がおさえられますから、抜栓後に泡が湧き出てしまうのを防ぎやすくなります。
そして、ボトルを斜めにもちます。このときのポイントは、ボトル内のワインの液面を大きく取るためです。
ボトルを垂直に立てたままですと、ワイン液面がとても小さくなりますので、泡が出過ぎてしまいやすくなります。
ボトルのネックあたりを見ながら傾けて、液面がより大きくなるように調整します。
(下の写真では、液面の傾きが見やすいよう、キャップシールを大きめにはがしています)
2)いつ飛び出すかわかりません。栓はしっかりとおさえましょう。
キャップシールを切り取って、コルクを固定しているストッパー(ワイヤー)を外したとたん、コルクがボトル内のガス圧におされて、スッポーンと飛んでしまうこともあります。そのため、ストッパー(ワイヤー)を外し始めるところから、コルクが飛んでしまわないように、念のためコルクのヘッドに手を添えておきましょう。
時には、万が一にもコルクが飛んでしまわないよう、中指にストッパー(ワイヤー)を引っ掛けることもありますが、これは多分にカッコつけの要素も。
3)小さい力で効率的に。栓を回さず、径の大きいボトルを回します
ここから、すこし握力が必要になります。
効き手の反対側の親指をコルクのヘッドに、中指、薬指、小指でボトルの首の部分をしっかり握ります。
この状態で、ボトルをゆっくりと回します。
多くの場合、ボトルを少し回したところで、ボトル内のガス圧によってコルクが少しずつ上がってきます。
このとき、コルクのヘッド部を親指でしっかりと押さえていないと「ポンッ」と抜けてしまいます。
しっかりと親指でコルクが抜けるのをおさえながら、でも、徐々にボトルを回し続けます。ここまでは、コルクとボトルの中心線は重なっています。そのうちにコルクが抜けそうになるので、ボトルを少し傾けるようにすると、コルクとの間に隙間が生じますので、そこからガスを抜きます・・・
ずいぶん力が入っていたようで、ストッパー(ワイヤー)のあとが残っていますね。
ワイン中に眠っていたガスが「スー」と静かな音を残しながら解放されてゆきます。
抜栓する人も、それを見守る人も、抜栓というちょっとだけ緊張感のある儀式が終わり、「ふっ」と肩の力が抜けたら、さぁ、パーティのはじまりです。
一連の流れを動画で解説してみました。こちらも合わせてご覧ください。