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2013/06/05

Column

エーデルワイン編 ワイナート連載企画「日本ワインでグラスマッチング」連載後記

第2回目となる「日本ワインでグラスマッチング」。
ワイナート71号(6月5日書店販売開始)の139ページで掲載中です。

今回は、花巻市のエーデルワインさんへ伺ってきました。
ターゲットは「過去最高の凝縮度」となった「ハヤチネゼーレ ツヴァイゲルトレーベ 2009」。
リーデルの本社があるオーストリアでも主要な黒葡萄「ツヴァイゲルト」が、大迫の土地でどのような個性を発揮しているのか。
そして、どのようなグラス形状でその真価を発揮しているのか。
ワークショップを通してお話を伺ってきました。

新花巻駅には、学生時代に宮沢賢治の足跡を訪ねたときに初めて訪れ、イギリス海岸などを見て回った思い出があります。
その後、グラス・エデュケイターとしては、釜石にある「葡萄小屋の青年達」という、なんとも素敵なネーミングのビストロでのセミナーに呼んで頂いたときに再訪して以来です。

約3時間、新幹線に揺られて新花巻に到着。
小腹も減っていたので駅の立ち食いそばで遅い朝食をいただきます。
わざわざ温めてくれた味噌おにぎり、これがすごく美味しかった。

駅まで、エーデルワイン製造部部長代理の行川さんが迎えにきてくれました。
もともとブルーベリーの栽培を研究していらしたそうで、ワーナリーまでの道中、いろいろとお話しを伺いました。
やっぱり3種類程植えた方が実がなりやすいそうです、ブルーベリー。

山道を抜けて、エーデルワインに到着。
高畑常務と合流し、ワイナリーのさらに上に位置する「葡萄が丘農業研究所」へ。

その途中、樹齢64年のキャンベルアーリーの樹が。幹が太く、枝が長く伸びています。
さすが64年の樹齢、庄司よりも22年の年上。最敬礼で挨拶をさせて頂きました。

研究所の門をくぐると、葡萄畑が広がります。
種類豊富なブドウ品種が栽培され、そのデータがワイン造りに活かされています。

畑に到着したときには、ちょうど霧雨のような細かい雨が降っていて、湿り気のあるひんやりとした空気がここちよく、岩手に来たことを改めて感じさせてくれました。曇り空とも相まって、企画の下準備で試飲していたエーデルさんのいくつかのワインに共通する印象を、まさに肌で感じたような感覚をもちました。
しっとりと落ち着いていて、でも「シーン」と静まった緊張感のある気配。
そして全体の印象をおおきく決定づけているキレのある酸味。

これもまた、テロワールなのでしょう。
ツヴァイゲルトレーベの樹も。

そしてワイナリーに戻り、エーデルワイン、リーデルジャパンそれぞれで行ったテイスティングの結果をもとに、意見交換が始まります。
結果として、前回の「岩の原葡萄園 マスカット・ベーリー・A編」でも選ばれた「シラー系」のグラスが選考されたのは興味深い点でした。

この模様は、次回のブログで詳しくご紹介します。
乞うご期待!

  • 庄司 大輔Daisuke Shoji
  • (社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ/リーデル社 ワイングラス・エデュケイター

1971年神奈川県生まれ。明治大学文学部文学科卒業、専攻は演劇学。 塾講師、レストラン勤務などを経て、1998年(社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ呼称資格取得。1999年にボルドー地方サンテミリオンの「シャトー・トロットヴィエイユ」で学ぶ。2001年リーデル・ジャパン入社、日本人初の「リーデル社グラス・エデュケイター」となる。リーデルグラスとワインの深いつながりやその機能を、グラス・テイスティングを通して広く伝えるため、文字通り東奔西走している。
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