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2013/03/08

Column

グラスエデュケイター庄司大輔と考える日本ワインでグラスマッチング(1)岩の原葡萄園

リーデルの美しきグラス形状は、世界中の生産者たちとの〝ワークショップ〞から生まれた。ワイナリーでの庄司と造り手との対話から、選ばれるグラスとは?

今回のテーマは「マスカット・ベーリーA」

この企画は、「ワイナリーがボトルに込めたメッセージを拾い集める旅」でもあります。初回に訪れたのは、新潟県上越市の「岩の原葡萄園」。豪雪地帯として知られるこの地ですが、庄司が訪問した10月には、強い日差しに汗ばむ場面もありました。
生涯をかけて豪雪と格闘し続けたワイナリー創設者、川上善兵衛が生み出した「マスカット・ベーリーA」が今回のテーマとなります。

ワークショップ前半では、庄司も含めたリーデルのグラス・エデュケイターたちが、160種類以上の形状から12の候補を選び、さらに3種類にまで絞りました。
後日、岩の原ワインの方々により、選ばれた3種のグラスで飲み比べが行なわれ、最終的にひとつのグラスが選ばれたのです。

生産者が語るセレクトグラス

ワークショップ参加生産者
上村宏一氏

1890年創業の同ワイナリー製造部醸造技師長。
なるべくブドウそのままの姿でワインにしたい、との想いが伝わる語り口。

<ヴィノム シリーズ>『シラーズ/シラー』グラス
「スパイシーで果実香も強く、もっともインパクトのある印象。岩の原のマスカット・ベーリーAをいちばん〝大きく〟感じさせてくれたグラス」。

<ヴィノム シリーズ>『ピノ・ノワール(ブルゴーニュ)』グラス(中央) 3,675円
「イチゴやベリーの香りが贅沢なほどに感じられる。ワインのもつ〝華やかさ〟を感じさせてくれたグラス」。


<オヴァチュア シリーズ>『レッドワイン』グラス(左)3,150円(2個入)

「何かの要素が突出するわけではないが、全体のバランスがよかった。マスカット・ベーリーAを素直に表現したいという方向性とマッチ」。

善兵衛翁の遺志を受け継ぐメッセージ

「ワークショップ」のルールはいくつかありますが、「好き嫌い」ではなく「ワインの真のメッセージが感じられるかどうか」を基準にグラスを選抜していくのが大切なポイント。
最も小さなグラスが選ばれた事実。それこそが、善兵衛翁の遺志を受け継ぐ岩の原葡萄園がワインに込めた「マスカット・ベーリーAのメッセージ」だったのです。

次回:ワイナート記事の舞台裏(1) 岩の原葡萄園のマスカット・ベーリーAのメッセージとは?

ワイナート

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この記事は2013年3月5日(火)発売「ワイナート 第70号」に掲載されました。
こちらからPDFファイルをダウンロードしていただけます。
ワイナート PDF(269.2KB)

  • 庄司 大輔Daisuke Shoji
  • (社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ/リーデル社 ワイングラス・エデュケイター

1971年神奈川県生まれ。明治大学文学部文学科卒業、専攻は演劇学。 塾講師、レストラン勤務などを経て、1998年(社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ呼称資格取得。1999年にボルドー地方サンテミリオンの「シャトー・トロットヴィエイユ」で学ぶ。2001年リーデル・ジャパン入社、日本人初の「リーデル社グラス・エデュケイター」となる。リーデルグラスとワインの深いつながりやその機能を、グラス・テイスティングを通して広く伝えるため、文字通り東奔西走している。
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