2017/02/03
Food
ワインの種類に合わせたチーズ選び
「ワインのお供」といえば、真っ先に思い浮かぶのはチーズ。何は無くともチーズさえあれば、ワインの楽しみはより一層深まります。
そもそも相性の良いワインとチーズですが、ベストなマリアージュを究めれば、至福の境地へといざなわれること間違い無し!
あなたのベストマリアージュをみつけるための、ちょっとした手がかりをご紹介します。
ワインとチーズは何故相性が良いの?
脂質や油分など、オイリーなニュアンスは、そもそもワインとは好相性。ジューシーな肉やオリーブオイルの風味の効いた料理があると、ワインと料理の相互作用によって、食事はさらに楽しくなります。
また、ワインの醸造の際、酵母による発酵が終わった後に、乳酸による発酵−−「マロラクティック発酵」がおこなわれることがあります。「マロラクティック発酵」は、ワインに含まれるリンゴ酸を乳酸に変化させることで、味わいをまろやかにする効果があります。つまり乳酸とワインは化学的にも相性がよく、チーズもまた乳酸系の発酵食品であるため、ワインと相性が抜群である、ということができるのです。
とはいえ、チーズとひと口に言っても、まさに多彩。それぞれチーズの特性を踏まえたうえで、ワインとマリアージュさせると、双方の世界観はさらに大きな広がりを見せます。
さまざまなスタイルのワインに、チーズを合わせてみよう!
白ワイン×チーズ
・香り高く果実味のある白ワインに合うチーズは?
リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ヴィオニエ、マスカットなどの品種を用いた、酸が綺麗で、優しい果実味があり、穏やかな飲み心地の白ワインには、山羊乳を用いたシェーブルタイプチーズがよく合います。
チーズ本来の乳の香りが、ワインのアロマを引き立てるため、比較的若々しいフレッシュなチーズがおすすめです。
・軽やかで爽やかな白ワインに合うチーズは?
ソーヴィニョン・ブラン、ピノ・グリージョ、ミュスカデなどの品種を用いた、ジューシーな果実味をたたえたフレッシュな白ワインには、ゴーダやサムソーなどのセミハードタイプのチーズがマリアージュ。チーズの穏やかな熟成感が、爽やかな白ワインに優しく寄り添います。
・樽香の効いた白ワインに合うチーズは?
主にシャルドネを用いた、リッチな樽のフレーバーが効いたワインには、熟成感のある白カビ系チーズがおすすめ。深みとコク、そして熟成感の三重奏は、いやが上にも食卓を盛りあげます。
赤ワイン×チーズ
・ライトな赤ワインに合うチーズは?
ガメイやマスカット・ベーリーAなどの品種を用いた、軽やかな味わいの赤ワインには、若めの白カビ系チーズがおすすめ。ライトな赤ワインは、温度を少し高めにすると、重めの料理にもマリアージュします。この法則を応用すると、熟成感のあるチーズにも寄り添います。
・ミディアムな赤ワインに合うチーズは?
ピノ・ノワール、メルロー、テンプラニーリョ、バルベーラ、サンジョヴェーゼなどの品種を用いた、バランスの良い赤ワインには、エポワスやポン・レヴェック、マンステールといった、旨味濃厚なウォッシュタイプのチーズがおすすめ。ワイン、チーズともに「深さ」が窺えるマリアージュです。
・フルボディの赤ワインに合うチーズは?
カベルネ・ソーヴィニョン、シラー(シラーズ)、ジンファンデル、ネッビオーロ、マルベックなどの品種を用いた、厚みのあるフルボディの赤ワインには、パルミジャーノ・レッジャーノやペコリノ・ロマーノ、コンテ、チェダー、ミモレットといった、ハードタイプのチーズがおすすめ。存在感のあるチーズは、口中でゆっくりととろけて旨味を放出。ワインとチーズ双方の、熟成感ある味わいが楽しめます。
その他のワイン×チーズ
・ロゼワインに合うチーズは?
赤白双方の良さを兼ね備えたロゼワインは、「万能」といっても過言ではないほど、料理との汎用性は抜群です。
チーズとのマリアージュも、タイプを選びませんが、フレーバータイプのチーズとの取り合わせは、楽しいおすすめ。サーモン、サラミ、ハーブなどの風味あるチーズは、料理がなくてもその場の雰囲気を盛り上げてくれるでしょう。
・スパークリングワインに合うチーズは?
シュワシュワと口あたり良いスパークリングワインは、相性を選ばずにチーズとマリアージュしますが、わけてもフレッシュタイプのチーズとの取り合わせは抜群。チーズの新鮮な風味が、爽やかな泡とよく合い、誰にも好まれるマリアージュになります。
・デザートワインに合うチーズは?
フランスのソーテルヌ、ドイツのシュペートレーゼ、アウスレーゼ、トロッケンベーレン・アウスレーゼ、イタリアのピコリットなど、ぶどうの糖分を凝縮させたデザートワインには、青カビタイプのブルーチーズや、熟成したウォッシュタイプのチーズがよく合います。チーズに蜂蜜などを添えると、さらにコク深く、「甘味」よりも「旨味」が際立ちます。
あなただけのベストマリアージュを!
以上はあくまでもマリアージュの目安です。
同じチーズでも、熟成の度合によって、味わいは大きく違うもの。そういう意味では、ワインとチーズの一期一会を楽しむところに、醍醐味があるのかもしれません。
ちょっと大きめのチーズを買ってみるのもおすすめです。冷蔵庫でチーズを寝かせ、熟成具合を楽しみながら、あなただけのベストマリアージュを究めてみてはいかがでしょう?
Author: 高山 宗東