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2011/08/11

Column

マスカット・ベーリーAの産みの親 「川上善兵衛」の思いを受け継ぐ岩の原葡萄園。こんな雪の中でワインがつくれるんだ!?

東京も暑さが戻ってきましたね!!
みなさまお元気ですか?クリーミー・ショージです。

なじみの1,500円バーバーで、髪長1mm指定だった坊主頭を0.5mmとクールビズ仕様にいたしました。
オーガスタの高速グリーンを思わせる仕上がりです。
自家用のバリカンとは比べ物にならない、さすがプロの道具でございます。

さて今回は、先日青山のショップで行われた岩の原ワインさんのイベント報告を。

「岩の原葡萄園」といえば、マスカット・ベーリーA、ブラック・クイーン、ローズ・シオター、レッド・ミルレンニュームなど、日本の風土に適したブドウ品種を産み出した、「川上善兵衛」ゆかりのワイナリー。

岩の原葡萄園 オフィシャルサイト

当日は国産ワインに造詣の深い、ワイン販売店さんやバイヤーの方々がお集まりになり、岩の原葡萄園社長 坂田さんの熱意あふれる説明に耳を傾け、醸造に携わられる立入さんの解説とともに、全9種のワインを試飲。

特に印象深かったのが、やはり「雪」の存在です。
上越でのブドウ栽培の歴史は、すなわちこの「豪雪」との格闘の歴史といっても過言ではありません。

上の写真は、雪の重さで、ブドウジュを結束しているワイヤーの柱が倒れ、ワイヤーが切れてしまっているところ。
7本のワイヤーを縒り合わせたものですが、雪って重いんですよね・・・。
もちろん、ブドウ樹は雪の下です!!!

最盛期には2~3mの積雪があり、
この「豪雪」を前提としたブドウ樹の仕立て「雪国善兵衛カーテン」なるものがあって・・・
なんて説明を伺っていると、ブドウ栽培には極めて厳しいこの地で、
亡き善兵衛の意思を継ぎ、ワインを作り続ける葡萄園の方々の心意気を感じました。


上の写真は「坂田社長」。熱く語られていました。

イベントの第2部は、ビアンシュールの遅澤シェフのお料理に合わせて、岩の原さんのワインを楽しみながらの歓談。
事前にシェフのもとにワインが届けられ、試飲した上でのメニュー決めを行っていただいたということもあり、どのお料理も岩の原さんのワインとのマリアージュがとてもよく、坂田社長もご満悦。

遅澤シェフ、スタッフのみなさま、ありがとうございました!!!
狭いショップですが、会場のそこここで会話の輪が広がっていました。


例えばチリのカベルネ・ソービニヨンなどは、100m手前からでもはっきりと「あいつは誰だ」とわかるそのわかりやすさと、太陽の恵みを受けてすくすくと育った健康優良児という印象ですが、岩の原ワインの姿は、雪国上越の誰そ彼どき、通り過ぎてから「はて、今のは誰だったかと」「何か懐かしげな思い出を呼び起こしてくれそうな」そんな雰囲気を持っているワインといえるかもしれません。

どちらが優れているか・・・というよりも、私たちワイン好きにとっては、そのときの気分でどちらでも選べるという環境が嬉しいと思います。
みなさまも、わが国日本産のワイン、なかでもこの過酷な環境の中で人力をかけてつくられたワイン、その雪明りの中にたたずむような落ち着いた味わいと風味を、楽しまれてみてはいかがでしょうか?

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この原稿を書いている最中、元横浜マリノスで現JFL松本山雅の松田選手の訃報が。。。
マリノス最後の試合後には、集まったサポーターの前であふれる涙を隠そうともせず「オレやっぱ、サッカーが好きなんですよ」と、サッカーへのあくなき思いをほとばらせた永遠のサッカー少年が旅立ちました。。。
記録だけでなく、記憶に残る、雰囲気のある名ディフェンダーでした。
合掌。

  • 庄司 大輔Daisuke Shoji
  • (社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ/リーデル社 ワイングラス・エデュケイター

1971年神奈川県生まれ。明治大学文学部文学科卒業、専攻は演劇学。 塾講師、レストラン勤務などを経て、1998年(社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ呼称資格取得。1999年にボルドー地方サンテミリオンの「シャトー・トロットヴィエイユ」で学ぶ。2001年リーデル・ジャパン入社、日本人初の「リーデル社グラス・エデュケイター」となる。リーデルグラスとワインの深いつながりやその機能を、グラス・テイスティングを通して広く伝えるため、文字通り東奔西走している。
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