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2017/09/29

Wine

温度によって変化するワインの味わい

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赤ワイン・白ワイン・ロゼワイン、そしてスパークリングワインにはそれぞれに適した温度があります。

ワインがおいしく味わえる温度の見極め方について、ご紹介いたします。

ワインは室温で?

しばしば「ワインは室温で」といわれます。

しかしこの言葉、独り歩きしてしまっている側面も。

スパークリングワインや白ワインは、基本的に冷やして飲まれることがもっぱらです。そのために、スパークリングワインや白ワインのラベルの大半は、水に浸けても剥がれにくくなっています。

「室温で」というのは、基本的に赤ワインの飲み頃温度。しかし、この「室温」は、夏でも日陰に入れば涼しいヨーロッパの、石造りの建物の内部温度をさしています。蒸し暑い日本の夏の室温とは、そもそもまったく環境が違うのです。

ワインのタイプそれぞれの飲み頃温度は?

白ワインの飲み頃温度

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白ワインの飲み頃温度は、ざっくりと「9℃くらい」などともいわれますが、白ワインといってもタイプはさまざまです。

あまり神経質になる必要はありませんが、ワインと温度の関係性をおさえておくと、応用しやすくなります。

たとえば白ワインは、冷やすことで酸味が際立ちます。したがって、フレッシュ&爽やかに飲みたいタイプの白ワイン……ライトタイプで、ハーブや花のニュアンスのあるアイテムは、6~9℃くらいの低い温度の設定が適しています。

反対に、酸味を抑制してマイルドに飲みたいタイプの白ワイン……ボディが厚く、リッチに樽のニュアンスが効いているアイテムは、少し高めの、10~12℃くらいの設定がおすすめ、ということになります。

赤ワインの飲み頃温度

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赤ワインの場合、冷やすことで渋味が際立つ、という特徴を持っています。

したがって、渋味が軽やかな、タンニン抑制タイプの赤ワインは、12~16℃くらいの少し冷やし加減で楽しむと、バランスの良い印象になります。

反対に、豊かな渋味をもつ赤ワインは、17~20℃くらいの、ヨーロッパにおけるいわゆる「室温」が、適温といえるでしょう。

そのうえで、夏場などの暑い時期には心持ち冷やし加減にすると、とても美味しく感じられます。

スパークリングワイン、ロゼワイン、デザートワインの適温は?

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ロゼワインの場合、その色合いがひとつの手がかりになります。

淡いピンク色のロゼワインは、フルボディの白ワインの適温10~12℃くらいで。比較的色調が濃いロゼワインは、ライトタイプの赤ワインの適温12~16℃くらいで、という目安です。

スパークリングワインは、基本的に冷えていればいるほど、美味しく感じられるため、4℃〜8℃くらいが適温といわれています。ことに、フルーティーで爽やかな、口あたりのよいスパークリングワインは、キンキンに冷えていると美味しく感じられます。

しかし、熟成感の高いヴィンテージシャンパーニュなどの場合、温度があがってくると、思いもよらないアロマが開くことも。そうしたタイプのスパークリングワインは、低めの温度からはじめて、ゆっくりと時間をかけて飲み、じょじょに温度をあげていくと、ワインの実力を存分に楽しむことができるでしょう。

デザートワインの飲み頃温度は5℃~10℃といわれています。

低めの温度で果実味を楽しみ、じょじょに温度をあげて複雑さやストラクチャーを楽しむと、ワインの個性が存分に堪能できるでしょう。

ほんの少しの気配りで……

ワインを楽しく飲むために必要な感覚は、味覚や嗅覚にとどまりません。

色、舌触り、温度、湿度、その場の雰囲気、飲む相手などなど――五感さえ超越するさまざまな感覚を総合的にはたらかせることで、ワインの味わいはさらに奥深く、魅力的になります。

ほんの少し温度に気を配るだけで、ワインは、驚くほど深遠な世界観を垣間見せてくれます。

  • 髙山 宗東muneharutakayama
  • ワインコラムニスト・歴史家・考証家・有職点前(中世風茶礼)家元

専門は近世史と有職故実。歴史的観点を踏まえてワインのコラムなどを執筆。
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