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2014/04/09

Column

オーストリアワインの魅力と特徴

皆さん、ご存じでしょうか?リーデルの本拠地オーストリアでは、コストパフォーマンスに優れた美味しいワインを作っていることを。

今回は、現在オーストリア大使館で公募している「オーストリアワイン大使」を目指し、夜な夜なオーストリアワインを飲み続けている藤山が、オーストリアワインの特徴と魅力をご紹介します。

土地の個性を大切にするワイン造り

(c) オーストリアワインマーケティング協会 / Faber

ドイツと同様に、オーストリアでは白ワインの生産が盛んです。寒暖の激しい冷涼な大陸性気候であるため、ドイツやフランスのアルザス地方で栽培が盛んなリースリングも有名ですが、オーストリアワインの代名詞といえば「グリューナー・フェルトリーナー」。栽培面積も全オーストリアの3分の1以上を占めています。

グリューナー・フェルトリーナーをはじめ、土地にあったワインを造るオリジナリティがオーストリアワインの魅力の一つで、この他にも赤のブラウフレンキッシュやツヴァイゲルトといった数多くの地場品種が栽培されています。

透明感ある自然派ワイン

(c) オーストリアワインマーケティング協会 / Anna Stöcher

オーストリアは家族経営のワイナリーが多く、ビオディナミやKIP (統合農法)、有機農法などの自然派の作り手で、「自然派」ワインの先進国としても有名です。

これは、「有機農業の3本柱の一人」、と言われるルドルフ・シュタイナーの母国であることも起因し、面積こそフランスの半分の50万ヘクタールですが、オーガニックの比率は20%と高く、世界最高水準にあります。

ニュージーランドワイン好きの私が、オーストリアワイン大使を目指すほど、その虜となったのは、ニュージーランドワインに近い“透明感のある”テイストをオーストリアワインに感じたからです。

両国のワイン造りのキーワードはともに“サスティナビリティ”(持続可能性)。豊かな自然を守るために、環境や社会に付加をかけないよう、また消費者にとって安全な食品を、という取り組みのもとでできたワインは“ピュア”そのものなのです。

オーストリアの新酒、ホイリゲ

(c) オーストリアワインマーケティング協会 / Lammerhuber

オーストリアでは、首都ウィーンでもワインの生産が盛んですが、首都でワインが作られているのは、世界でオーストリアのみ。そしてウィーンのワインといえば、毎年11月11日に解禁されるホイリゲが有名です。

ホイリゲとは、ワイン酒場でもあり、1年未満の新酒の意味でもあります。ホイリゲの歴史は1789年に皇帝ヨーゼフ二世が、ウィーンのぶどう農家に、年間300日以内に限り自家製ワインを小売し、簡単な食事を供しても良い、という特別許可を与えたのが発端です。

面白いことに、新酒の合図として新酒ができるとワイナリーが自分のホイリゲの前にある木の枝を吊るしますが、これは日本酒の新酒解禁のサインとほぼ同じなのです。違いはオーストリアが“松”の枝を吊るすのに対し、日本では“杉”で玉をつくり、軒先に吊ります。

ホイリゲでは、シュランメルン音楽というのも有名で、ヴァイオリンやアコーディオンの演奏をききながら、ワインを楽しめます。旅行で行った際には、「気取らずお酒を飲む楽しさ」を体験できました。

ウィーンで作られているゲミシュター・サッツという混植混醸の白ワイン(ひとつの畑に、少なくとも3つの高貴品質の白ブドウが植えられ、全てのブドウを同時に収穫とプレスする。)で作られた新酒を昨年飲みました。フレッシュでフルーティーな飲み口が大変美味しいワインでした。

ボジョレーも素晴らしいワインですが、今年の新酒はホイリゲを楽しんでみませんか?

貴腐ワインが素晴らしい!

オーストリアの貴腐ワインは本当に素晴らしいです!

マスターソムリエがオーナーの某レストランでは、フレンチのコースの白ワインから赤ワインに移るまでの中休み用のワインとして、必ずオーストリアの貴腐ワインが定番として使われていました。上品な甘さが心地よく舌に溶け込み、その美味しさに衝撃を受けました。

貴腐ワインは果皮がカビに感染することによって糖度が高まり、芳香を帯びる現象で、限られた地域でしか作られていませんが、オーストリアでは、ハンガリーとの国境近くのノイジードラーゼー湖の発する高い湿気が貴腐をつけやすい環境を生み出し、世界最高レベルの貴腐ワイン、“ルスター・アウスブルッフ”を生み出しています。

おすすめのオーストリアワイン

(c) オーストリアワインマーケティング協会 / Wirz

今回のおススメは“ザ・オーストリアワイン”な「グリューナー・フェルトリーナー ベートーベン 第九ラベル」。イケメン風なベートーベンの顔のラベルが印象的ですが、なんとこちらのワインを作っているワイナリーの敷地内に、ベートーベンが実際に住み、第九を作曲した家屋があるそうです。

音楽の都・ウィーンで作られたこのワインを、ぜひ第九を聞きながら、そしてリーデルのワイングラス、<ソムリエ シリーズ>のグリューナー・フェルトリーナーでお召し上がりください。
グリューナーとはドイツ語で「緑の」という意味で、ステムもこのグラスのみ緑になっています。見た目もとてもエレガントなので、グリューナー・フェルトリーナーをこのグラスで飲むと気分も盛り上がりますよ!

手頃で美味しいオーストリアワイン

世界のワイン市場に占めるオーストリアワインの割合は1%未満と少ないため、日本でも目にする機会が少なく、認知度も低いのが現状です。

ネームバリューで勝負できない分、オーストリアワインのインポーターは、本当に“美味しい”と思うワインを選りすぐって輸入しています。
だから価格に対してクオリティの高い、隠れた名品ワインがたくさんあるのです。

美味しいのにお手頃価格で手に入る、オーストリアワイン。和食とも相性が良いので、日本の食卓にもピッタリです。次回は和食との相性について、ご紹介します!

  • 藤山 恵水fujiyama
  • オーストリアワイン大使 シルバー、JSA認定 ワインアドバイザー、C.P.A. 認定 チーズプロフェッショナル

ニュージーランドに旅行で訪れた際にワインのおいしさに目覚め、ニュージーランドワインのファンとなる。 2008年にワーキングホリデービザを取得してニュージーランドに渡航。憧れだったワイヘキ島のワイナリーで収穫作業を経験し、その後ニュージーランドの学校でワインマーケティングについて学ぶ。イタリアワインやノンアルコールワインのインポーターを経て、現在リーデルでワインとグラスの普及に携わっている。
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