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2022/09/21

Wine

10月22日は「オーストリア・ゼクトの日」この日に飲みたいオススメのゼクト3本をご紹介します。

10月22日「オーストリア・ゼクトの日」です。

リーデルの本社があるオーストリアを代表するスパークリング・ワイン「ゼクト」は、年々その品質も向上していますが、中でも瓶内2次発酵(シャンパーニュ方式)でつくられるものは、本場のシャンパーニュにも引けを取らない、きめの細かい泡、複雑な香りを楽しむことのできる、素晴らしいワインが数多く見受けられます。

目次

  1. オーストリア・ゼクトの日が「10月22日」な理由は?
  2. セラー・マスターの恋が結んだ、シャンパーニュ・メゾン「ルイナール」とオーストリア・ゼクトとの意外な関係
  3. おすすめの1本(ジャケ買いにも):シュルンベルガー
  4. おすすめの1本(白):シュタイニンガー
  5. おすすめの1本(ロゼ):ブリュンデルマイヤー

 

1)オーストリア・ゼクトの日が「10月22日」な理由は?

2013年、オーストリア・ゼクト委員会が設立され、オーストリアン・ゼクトの3段階の品質ピラミッドが策定されました。(レベルⅠ)クラシーク、(レベルⅡ)リザーブ、(レベルⅢ)グランド・リザーブ、の3カテゴリーです(詳細は、AUSTRIA WINE の公式サイトをご参照ください)

例えば、(レベルⅢ)のグランド・リザーブ クラスには、下記のような規定が設けられています。

  • 熟成期間 :最低30か月の澱上熟成
  • リリース :収穫後3年目となる年の、10月22日以降に消費者に販売開始
  • 醸造方法 :伝統的な瓶内2次発酵のみ
  • ロゼの製法 :赤ワインと白ワインをブレンドしてロゼをつくらない

 

また、収穫方法の規定には「手摘みであること」という点に加えて、「収穫容器の高さは35cmまで」という、かなり細かいルールまで添えてあります。

3つのカテゴリーそれぞれに必要な最低熟成期間が規定されていますが、いずれのカテゴリーでも、出来上がったゼクトの販売開始が可能になるのは「10月22日以降」とされていて、この日をもって「オーストリア・ゼクトの日」となったのです。

2)セラー・マスターの恋が結んだ、シャンパーニュ・メゾン「ルイナール」とオーストリア・ゼクトとの意外な関係

 世界最古のシャンパーニュ・メゾンと言われる「Ruinart/ルイナール」は、ベネディクト会修道士であったDom Ruinart/ドン・ティエリー・ルイナールの甥であるニコラ・ルイナールが、1729年に創業しました。

 このメゾンで長らくセラー・マスターを勤めたロベルト・シュルンベルガーは、愛する恋人の故郷であるオーストリアに、1842年ワイナリーを創業します。

時代は、ハプスブルク家が君臨したオーストリア帝国(1804~1867年)時代の中期。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が産声をあげたとされる年でもあります。

この時、フランスからオーストリアへ、シャンパーニュ方式(瓶内2次発酵)の高度なノウハウがもたらされました。

3)庄司おすすめの1本(ジャケ買いにも):シュルンベルガー

本格的な瓶内2次発酵の手法を、シャンパーニュ地方からオーストリアにもたらしたシュルンべルガー。

このシャンパーニュ製法では、瓶内での2次発酵中にボトルの中に発生するを取り除くためにボトルを逆さまにして数ヶ月かけて瓶をゆり動かし、ボトルの口にを集めます(この作業を「ルミアージュ」と呼びます)。

人手と時間のかかる作業なので、ルミアージュを機械化するワイナリーも少なくない中、シュルンベルガーでは今でも、経験豊かなセラーマスターの指導による手作業を貫いています。

そして、オーストリアにまつわる著名なアーティストといえば、音楽では、リーデルの創業年と同じ1756年生まれのモーツアルト。映画『アマデウス』は、庄司の大好きな映画のひとつです。

一方、絵画では『接吻』クリムトでしょう(E.シーレも好きですが)。この『接吻』をエチケットにあしらったシュルンベルガー キュヴェ・クリムトは、ゼクト本来の美味しさのみならず、視覚的にもオーストラリアらしい雰囲気を纏った、「オーストリア・ゼクトの日」にふさわしい1本です。

★残念ながら、この原稿執筆時点(2022年9月15日)で「シュルンベルガー キュヴェ・クリムト 750ml(化粧箱入り)」は完売とのことですが、「200ml」サイズのボトルは、まだ在庫があるそうです。
シュルンベルガーについて、そしてゼクトやその他のオーストリアワインの最新の在庫情報などは、輸入元であるセナーさんの公式サイトをご覧ください。

4)庄司おすすめの1本(白):シュタイニンガー

やはり「オーストリアのゼクト」といえば、このブドウ品種を外すわけにはゆかない「グリューナー・フェルトリーナー」
そして、ブドウ品種の個性を感じ・楽しみたいのなら単一品種。単一品種といえば、全てのスパークリング・ワインを単一品種 & シャンパーニュ方式でつくる、シュタイニンガーでしょう。
グリューナー・フェルトリーナーの他、リースリング、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランのゼクトもあり、ツヴァイゲルトからは赤のゼクトも造っています。

インポーター提供のテイスティングノートから

フルーティでペッパリーなニュアンス、木樽ての゙熟成による複雑な香り、すべてはパーフェクトに調和しています。味わいでは、力強さが際立ち、長い余韻を持ちながら同時に繊細、凝縮し、丸みがあり酸が控えめであるため、のどごしはソフト。オーストリアの伝統料理 ウィーナー・シュニッツェルやシュヴァイズブラーテン(ローストポーク)などのお供にも適しています。

おすすめのグラス

近年、<パフォーマンス> <ワイン・ウイングス> <ヴェローチェ> と、そのバリエイションに大きな広がりをみせている、リーデルのシャンパーニュ・グラス。
どのグラスで、最も「グリューナー・フェリトリーナーらしさ」を感じることができるのか、一度じっくりとセッションを行なってみたいところですが、やはり最もスタンダード、基準点となりうるのが <リーデル・ヴェリタス> シャンパーニュ・ワイングラス なのかもしれません。

ワイングラス的なフォルムを有する近年のシャンパーニュ・グラスの中でも、最もピュアな果実味を拾いやすいこの形状は、「ただただ純粋なワインの味わいが好き」という、当主カール・シュタイニンガーの言葉を体現できるグラスかもしれません。

<リーデル・ヴェリタス> シャンパーニュ・ワイングラス/甲州(税込み価格5,500円、品番6449/28)[/caption]

5)庄司おすすめの1本(ロゼ):ブリュンデルマイヤー

「ワインプロフェッサー」の異名をもつ、当主のヴィリー・ブリュンデルマイヤー氏。もう15年も前になるでしょうか。可愛らしいお嬢さんと一緒に来日され、試飲会でお会いしたその朴訥とした雰囲気と、クシャッとしわのよる笑顔、ワインの美味しさに虜になりました。

今回ご紹介するスパークリングワインには、ぜひ彼の1本を含めたかったのです。
オーストリア・ゼクトの白は、やはり固有品種のグリューナー・フェルトリーナーだとすれば、彼の1本はロゼ。ということで、このゼクトです。

インポーター提供のテイスティングノートから

レッドベリーとチェリーの香りに、ミネラル感があり、フレッシュなフルーティさがあり、しかも、ソフトで生き生きし、はっきりとしたストラクチャーで余韻の長いワイン。
赤みがかった黄金色の輝きを持つ淡いサーモン色、明るく、細かい泡が持続、デリケート、フレッシュで非常に生き生きしている、フレッシュチェリーと森のベリー類の果実味がわずかにあり、フルーティでスパイシー、シトラス、カラメルとイーストの洗練されたノート。
口の中ではドライフルーツのしかしクリーミーな感じ、エレガントな酸とミネラルの抽出が繊細に織り込まれ、非常に調和のとれたストラクチャー。
ピノ・ノワール、ツヴァイゲルト、サンクト・ラウレント、それぞれ3分の1ずつ

おすすめのグラス

やはり、<リーデル・ヴェリタス> ロゼ・シャンパーニュ を合わせたいですね。

このグラスの特徴は、その「大きなボウルサイズによる香りのボリューム感」に目が行きがちですが、それと共に、このグラスほど、「泡のきめ細やかさとムースのような膨らみ」を感じさせてくれるグラスは他にありません。その秘密は、飲み口の煙突型の形状にあります。

そうなんです、ワイングラスのボウル形状は、「香りや味わいだけではなく、泡の質感にまで大きな影響」をもたらすのです。
ぜひ「ワインプロフェッサー」が醸すゼクト(ロゼ)ならではの、チャーミングなベリー系の香りと、シャンパーニュ方式に由来する、キメの細かい泡の質感、素晴らしいワインです。


<リーデル・ヴェリタス> ロゼ・シャンパーニュ(税込み価格5,500円、品番6449/67)

今回庄司が挙げた3つのゼクトの中で、「シュタイニンガー・ゼクト」「ブリュンデルマイヤー・ゼクト・ロゼ」を、オーストリアを感じるスイーツと共にお楽しみ頂けるイベントが、10月1日(土)に、銀座ハプスブルクさんで行われます。詳細はこちらをクリック!

 

今回ご紹介したのはほんの一部。まだまだ、たくさんの美味しいオーストリア・ゼクトがあります。
10月22日(土)のオーストリア・ゼクトの日、今年は運良く土曜日です。
ぜひリーデルのグラスで、美味しいゼクトと共に週末の時間をお楽しみください。

 

本ブログ作成にあたりましては、オーストリアワインを輸入するAWA様、セナー様から、画像やワイン情報などのご提供を頂きました。多大なるご協力に、改めてお礼申し上げます。

  • 庄司 大輔Daisuke Shoji
  • (社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ/リーデル社 ワイングラス・エデュケイター

1971年神奈川県生まれ。明治大学文学部文学科卒業、専攻は演劇学。 塾講師、レストラン勤務などを経て、1998年(社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ呼称資格取得。1999年にボルドー地方サンテミリオンの「シャトー・トロットヴィエイユ」で学ぶ。2001年リーデル・ジャパン入社、日本人初の「リーデル社グラス・エデュケイター」となる。リーデルグラスとワインの深いつながりやその機能を、グラス・テイスティングを通して広く伝えるため、文字通り東奔西走している。
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