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2020/12/24

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「アヤラ」と「ボランジェ」 今こそ飲み比べたい、シャルドネ種とピノ・ノワール種の個性が際立つ2つのシャンパーニュ

今回は、シャルドネとピノ・ノワール、それぞれのブドウ品種ならではの特性や真髄を、モノの見事に感じさせてくれる2つのシャンパーニュ、「アヤラ」と「ボランジェ」をご紹介します。

本年6月に行った Facebook Live では、この2つのシャンパーニュを輸入販売する株式会社アルカンから、ワイン業界のご意見番である伊藤啓介ワイン営業部部長をお招きし、「アヤラ」「ボランジェ」にまつわる楽しいお話しを伺いました。

1時間ほどの動画ですが、博学多才な伊藤さんのお話しがとても面白く、これまで知らなかった両メゾンに関する情報も盛り沢山ですので、改めてご覧いただければ嬉しいです。

今回このブログでは、特に印象に残った話題を簡単にご紹介します。

シャルドネを愛する女性シェフ・ド・カーヴのこだわりは、あえて100%シャルドネ(ブラン・ド・ブラン)ではない!シャルドネを引き立てるピノ・ノワールの存在が決め手!

「アヤラ」といえば、やはりシャルドネですね。

伊藤さんによれば、醸造家のカロリーヌ・ラトリブさんはブドウ品種の中でもシャルドネが好きで、このシャルドネの魅力を活かすために、最適なピノ・ノワールを選別してブレンドしているのだそうです(動画:4分すぎ)。

シャルドネの魅力を楽しむためのシャンパンといえば、シャルドネ100%の「ブラン・ド・ブラン」では、と思いがちですが、カロリーヌさんは、シャルドネらしさを引き立てるために、あえてピノ・ノワールをブレンドしているのだそうです(動画:9分半すぎ)。

シャルドネのためのブレンドにこだわるアヤラの「コレクション・アヤラNo.7」(動画:14分半すぎ)

そんな、シャルドネの魅力を最大限活かすためのブレンドにこだわるアヤラが、メゾン創立160周年を迎える2020年(日本では7月7日発売)に限定リリースしたのが「コレクション・アヤラNo.7」

7つのグラン・クリュのブドウのみを使用した、2007年ヴィンテージのプレミアム・シャンパーニュです。

スタンダード・キュヴェからも感じられる、アヤラ、そしてカロリーヌさんのセンスが、この厳選されたブドウをどのように仕上げているのか。シャルドネ2/3、ピノ・ノワール1/3のブレンドです。単一では成し得ない、ブレンドならではのバランス感と、そこから引き出されるシャルドネの魅力を堪能してみたいものです。

こちらの「コレクション・アヤラ No.7」は数量限定です。インターネット上では、まだ在庫のあるお店も若干ありました(本記事執筆時)ので、ご興味のある方は、ワイン専門店も含めて探してみてはいかがでしょうか。

樽を使わない & 地理的アドヴァンテージがもたらす「アヤラ」のピュアネス(動画19分すぎ)

アヤラのパートの最後に伊藤さんから出た、地下セラーの話も面白かったですね。

そんなお話を聞いた後に見てみると、下の写真の背景も「石灰岩なのかな?」と思えてきます。

ピュアで、凛とした酸味がキリリとしていて、背筋がピシッと芯が通っている。それでいて、飲み手を包み込むようなぶどうの旨みが程よく楽しめる。あぁ、ストロベリーナイトの姫川を思わせるような、かっこいい女性。合掌。。。

この冬、暖かい部屋の中で、一服の清涼をもたらしてくれる一杯になるでしょう。

ボランジェについては動画の21分すぎから:公開延期で残念な「007(ノー・タイム・トゥ・ダイ)」実はボランジェは有料スポンサーではなかった!?

伊藤さんからお話しを伺うまで、「これは相当な金額のスポンサー料なんだろうな」と思っていたのですが、実は、そうではなかったんですね。

1880年代から王室御用達となったボランジェ。女王陛下に仕えるジェームズ・ボンドも、陛下と同じシャンパーニュを嗜むのも自然な流れ・・・ということで、ダニエル・クレイグもボランジェをご指名、なのだそうです。

ただ「有料スポンサーではない」ということもあり、ボランジェが、どの場面でどう使われるのかは、完全に映画制作側に委ねられているのだそうです。前作では、一瞬、ボトルの首の部分がちらっと映っただけだったとか。

ボランジェのオーク樽へのこだわり(動画:26分半すぎ)

ボランジェといえば、専属の樽職人を抱えるほど「オーク樽」へのこだわりを持っていることでも有名です(伊藤さんの親父ギャグも、お見逃しなく!)

その数、約3,500樽。

職人による樽のメンテナンスのお話し、そして、この「オーク樽」による熟成が、ボランジェのキャラクターにどのように反映しているのか。とても興味深いお話でした。

ステンレスのアヤラ、樽を活かしたボランジェ、それぞれの特徴がしっかりと感じられました。

伊藤さんもビックリ! <スーパー・レジェーロ> シャンパーニュ・ワイン・グラスの凄さ(動画:29分すぎ)

<リーデル スーパー・レジェーロ> シャンパーニュ・ワイン・グラス

今回の対談では、ボランジェ・スペシャル・キュヴェを、<ヴェリタス> と <スーパー・レジェーロ> のシャンパーニュ・ワイン・グラスで飲み比べています。

ボウル部分はほぼ同型のこの2つのグラスですが、<ヴェリタス(=マシンメイド)> と  <スーパー・レジェーロ (=ハンドメイド)> で飲み比べると、同じボランジェ・スペシャル・キュヴェの印象が一変。リアルな伊藤さんの反応とコメントも面白い。

そして話題は、グラスの「ハンドメイド」と「マシンメイド」による違いから、シャンパーニュ造りにおける、機械化と人手による作業の話しに。

科学的には割り切れない「人の手」がもたらすもの。

この辺りもとても興味深いお話しでした。

ボランジェとリザーブワイン(動画38分半すぎ)

ボランジェの風味を決定する要素のひとつに、リザーブワインの比率の高さがあります。

一般的には、10〜20%ほどが使用されていますが、ボランジェ・スペシャル・キュヴェでは、およそ50%。

しかも、そのうちの20%は、タンクではなく、マグナム瓶で熟成されているのだそうです。

実は、このことが、ボランジェにある隠された特別な特性を与えているそうなのですが。。。その秘密は、ぜひ伊藤さんの軽妙な語り口での解説を聞いてみてください。

ピノ・ノワールへのこだわり「ボランジェ」をピノ・ノワール用グラスで飲んでみました(動画の45分ころ)

<パフォーマンス> ピノ・ノワール

「シャルドネの個性際立つ、芯のあるエレガントなアヤラ」に対して、ボランジェといえば「ピノ・ノワール」が醸し出す「リッチでふくよかさのある力強さ」なイメージ、ということで、動画収録時には <パフォーマンス> ピノ・ノワールグラス でも楽しみました。

やはり、「ピノ・ノワール用のグラス」ということもあり、ボランジェ・スペシャル・キュヴェに内在するピノ・ノワール的な要素を、見事に引き出していたように思います。

そこから話題はロゼワインに(動画の56分頃から)。

なるほど、ボランジェのロゼ。そういう意味での、あの淡い色調のロゼ・シャンパーニュなんですね。

そんなボランジェが造るピノ・ノワール100%の、「ボランジェ 007 リミテッド・エディション ミレジメ 2011」もすごく気になります。あのボランジェが造る「ピノ・ノワール100%シャンパーニュ」。ぜひ、この「ピノ・ノワール グラス」でも楽しんでみたいですね。

 

いかがでしたでしょうか。

改めて観直してみましたが、伊藤さんのお話しは、内容も濃く、軽妙な語り口で、とても面白かった。

ぜひ伊藤さんと庄司の対談動画、お時間がありましたらご覧ください。

「アヤラ」「ボランジェ」、対極的とも言えるシャンパーニュの個性は、それぞれに単体で楽しんでも素晴らしいものですが、せっかくの年末年始です。一緒に飲み比べることで、メゾンごとの特徴を、さらに明瞭に感じ取って頂けるのではないかと思います。

  • 庄司 大輔Daisuke Shoji
  • (社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ/リーデル社 ワイングラス・エデュケイター

1971年神奈川県生まれ。明治大学文学部文学科卒業、専攻は演劇学。 塾講師、レストラン勤務などを経て、1998年(社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ呼称資格取得。1999年にボルドー地方サンテミリオンの「シャトー・トロットヴィエイユ」で学ぶ。2001年リーデル・ジャパン入社、日本人初の「リーデル社グラス・エデュケイター」となる。リーデルグラスとワインの深いつながりやその機能を、グラス・テイスティングを通して広く伝えるため、文字通り東奔西走している。
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