暑くて、湿気が多い時期には、口あたりの良い、あっさり＆サッパリしたワインが飲みたくなるもの。しかしソムリエールの西谷さんは、あえて濃厚な赤ワイン「バローロ」がおすすめだと仰います。その時、「ブルゴーニュグラスでサービスする」と、より美味しさが際立つのだとか。

バローロといえば、「イタリアの美味しい赤」として、真っ先に思い浮かぶアイテム。あまたの名ワインを生み出すピエモンテ州の中でも、「ワインの王にして、王様のワイン」と呼ばれるこの赤ワインは、力強く、濃厚にして、芳醇な味わい……梅雨時に、あえて濃厚なバローロですか？

「むしろジメジメした梅雨時にこそ、バローロは美味しいと思います。湿気の多い時期は香りが感じやすくなっているので、このワインが持っている豊かなアロマを、存分に堪能することができますから。また、バローロに使うネッビオーロという品種は、果実味や旨味も濃厚ですが、とてもしたたかな酸を持っています。この酸味が鬱陶しさをはらって、とても爽やかな印象になるんですよ。この時、アロマが開きやすい大きなボウルに、綺麗な酸味を感じやすい小さめの口径という特徴を持つブルゴーニュタイプのグラスを用いると、ネッビオーロの品種特性が素直にあらわれやすい。季節の変わり目で身体が疲れやすくなっているこの時期を、力強いバローロのようなワインを活力にして、乗りきっていただきたいですね。」

そして、西谷さんは梅雨時にバローロが合う理由のひとつとして、素敵なお話をしてくれました。

「ネッビオーロとは、ネッビア（霧）の中でオーロ（黄金）のように輝く様子から名付けられた品種名。ピエモンテのポー川周辺は霧が発生しやすく、どことなく梅雨時の日本と気候条件が似ています。バローロが梅雨時の日本で美味しく感じるのは、育まれた環境に共通性があるからかもしれませんね。」

▼本日のアドバイザー
麻布十番〈Vineria Sacra Laundry〉
オーナーソムリエール　西谷聖子さん

ヴィネリア サクラ ランドリー
-Vineria Sacra Laundry-

東京都港区麻布十番2-20-13
open：17:00 – 23:00
close：Sunday
http://www.sacralaundry.net/
contact & reservation：03-6809-3105

選りすぐりのイタリアワインを気軽にグラスで楽しめるお店です。おすすめです！

• リーデル・ジャパンRiedel Japan

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