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2014/11/19

Column

ボジョレー・ヴィラージュやクリュ・ボジョレーをさらに美味しく楽しむグラス選び

ボジョレー・ヌーヴォーで有名な仏 ブルゴーニュ地方のボジョレー地区。
ここでは、新酒である「ヌーヴォー」以外にもスティルワインを生産していますが、殆どが赤ワインです。栽培されているブドウの多くは「ガメイ」という品種で、世界で栽培されているガメイの実に70%が、このボジョレー地区で造られています。

ガメイの正式名称 “Gamay noir a jus blanc” 「皮は黒いがジュースは白い」という名の通り、このブドウから造られるワインは、軽やかなワインが多く、フレッシュなうちに飲むのが一般的です。

ボジョレー地区北部に指定された栽培地の村が10存在します。
これらの村から造られるボジョレー・ワインは、「クリュ・ボジョレー」と呼ばれそれぞれの村の土壌などの特徴から個性のあるワインが生み出されます。
今回開けたワインも、このクリュ・ボジョレーの一つ「Morgon」という村のワイン。
クリュ・ボジョレーの中でも、長期熟成するタイプで肉厚なワインで、軽やかなガメイとはイメージの異なる、しっかりしたワインです。

このクリュ・ボジョレーのモルゴンを、今回3つのグラスで飲み比べてみました。
フレッシュな新種、ボジョレー・ヌーヴォーにオススメしているリースリングタイプのグラス。赤ワインを幅広くカバーして楽しめるシラータイプのグラス。そして、ピノ・ノワールタイプのグラスの3種類。

個人的な見解になりますが、結果はピノ・ノワールタイプのグラスが、このワインにピントが合った印象です。

リースリングタイプのグラスでは、このワインの酸とタンニンが目立ってしまい痩せた未熟なワインのイメージに…このワインらしい味わいの膨らみをあまり楽しめませんでした。

次にシラータイプのグラス。先ほどのリースリングタイプのグラスよりも香りが広がり香りは十分楽しめます。ただ、味わいのはまだ少し痩せた印象、酸、果実、タンニンがバラついたように感じました。

ピノ・ノワールタイプのグラスで飲んだ時、「これだ!」とまず第一印象。
複雑な香りの広がりとエレガントさが鼻に伝わり、舌先にワインが触れた瞬間、前の二つのグラスでは感じにくかった果実をまず感じたのです。舌に入るワインの量が抑えられた形状の影響か、その後徐々に舌広がるミネラルと酸、少し間を置いて感じるタンニンと、このワインの味わいの一体感が楽しめました。

フレッシュなボジョレー・ヌーヴォーにはフレッシュ&フルーティーさを楽しめるリースリングタイプのグラスがおすすめです。
一方でボジョレー・ヴィラージュや、クリュ・ボジョレーなど、しっかりとしたボジョレーワインには、シラータイプやピノ・ノワールタイプのグラスがおすすめです。
今年はぜひ、ボジョレーの新しい魅力を発見してください!

使用したグラス:リーデル <ヴェリタス> リースリング/ジンファンデル(#6449/15)
リーデル <ヴェリタス> オールドワールド・シラー(#6449/41)
リーデル <ヴェリタス> ニューワールド・ピノ・ノワール/ネッビオーロ/ロゼ・シャンパーニュ(#6449/67)

  • 白水 健Ken Shiramizu
  • (社)日本ソムリエ協会公認ワインアドバイザー/リーデル社認定ワイングラス・エデュケイター

1980年東京都生まれ。学生時代にビストロでのアルバイトを通じてワインに魅了され、ソノマのワイナリーを巡りブドウの収穫を手伝うほどワインにのめり込む。大学卒業後、ワインショップに入社。店舗でリーデルグラスも販売していたことがきっかけでリーデル・グラス・テイスティング・セミナーを受け、開眼。グラス・エデュケイターを目指し、2003年にリーデル・ジャパンに転職。リーデル渋谷店店長を務めた後、2005年(社)日本ソムリエ協会ワインアドバイザー資格取得。リーデル・ジャパン本社へ異動と同時に日本人で第3番目の「リーデル社グラスエデュケイター」となる。これまで飲み溜めたワインの話と共に、ライブ感溢れる語り口で聞き手を魅了している。
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