2019/01/24
How to
【ソムリエナイフの使い方:第2弾】コルクを上手に抜くための4つのポイント
前回のテーマ「ボトルを開ける」の前半戦「キャップシールをキレイに切り取る3つのポイント」に続き、今回は「コルクを上手に抜くための4つのポイント」です。
コルクを上手に抜くための4つのポイント
1)垂直なのは「スクリューの先っぽ」
2)フックはしっかり
3)テコの原理で、力を逃さず
4)最後までは抜きません
1)垂直なのは「スクリュー本体」ではなく「スクリューの先っぽ」
コルクをキレイに抜くためには、まず、ソムリエナイフのスクリューをまっすぐにコルクへ差し込んでゆく必要があります。
ところが、「コルクにまっすぐにスクリューを差し込まないと!」という気持ちが強すぎて、真上からスクリューをコルクにさし込もうとすると、これが失敗の原因になることがあります。
実は、スクリューの先は渦を巻くように、内側に巻き込まれています。
この「スクリューの先の部分を垂直にコルクにさしたい」んですね。
下の写真では、ちょうどスクリューの先が下向きになっていますが、この時、ソムリエナイフ自体は垂直ではなく、かなり寝た状態であることがご覧いただけます。
そうなんです。コルクにスクリューをさし込む時には、写真のように、かなりソムリエナイフが傾いた状態からさし込んでゆくことになります。
これが、最初の重要なポイントです。
この状態から、コルクにスクリューの先端をさし込みながら、同時にソムリエナイフを垂直に立たせてゆきます。
スクリューの先をさし込みながらソムリエナイフ本体を垂直に立て直す。
ここの動きには少し慣れが必要ですが、何回か練習をすることで簡単にコツが身につきますので、みなさんチャレンジしてみてくださいね。
ソムリエナイフを垂直に立てることができれば、もう大丈夫。
ソムリエナイフを回せば、スクリューがコルクにまっすぐに入ってゆきます。
もし事前に、コルクの長さをある程度把握できれば、スクリューの先がコルクを通り抜けてしまわない程度で留めてください。スクリューがコルクを貫通して、コルク片がボトル内に落ちてしまうことを避けるためです。
これで、「コルクにスクリューをまっすぐにさし込む」という前半戦の山場を超えましたね。ここからは、「テコの原理をうまく利用してコルクを抜く」という後半戦に入ります。
(2)ソムリエナイフのフックをしっかりとボトルにかける
ソムリエナイフのフックは2点で力を支える形になっていますので、この2点とも、しっかりとボトルの注ぎ口に当てましょう。もしソムリエナイフが傾いていたりして、フックの片方しかボトルにかかっていないと、力が一点に集中してしまい、ボトルの注ぎ口が欠けてしまう、ということにもなりかねません。2点ともしっかりとかけるようにしてください。
(3)フックとボトルをしっかりと固定する
僕の場合には左手の人差し指と中指あたりをフック部分にしっかりと当て、ボトルと一体化するように左手全体でしっかりと握ります。フックが固定されていることで、右手の力が、効率よくコルクを引き上げる力になるのです。
もしフックが外側に動いてしまうと、右手の力が横方向に逃げてしまうので、コルクを引き上げる方向に力が働かなくなってしまうのです。ここではフックを固定するように、しっかりと握りましょう。
さぁ、これで、テコの原理をうまく活用できる状態になりました。あとは、ソムリエナイフの握りの部分を斜め左上の方向に向けて引っ張り上げます(上の写真では、右上の方向となります)。
この左上向きに引っ張り上げる力が、フックが固定されていることで、コルクを真上に引き上げる力に変わるんですね。
それでは、この「テコの原理」を活かして、コルクを引き上げてゆきましょう。
この時、ソムリエナイフの柄の部分を握って上方向に引き上げる形が多いと思いますが、もし「コルクがなかなか動かない」時や、非力な女性の場合には、「柄を引き上げる」のではなく、手を返して、写真のように「柄を下から、体全体で持ち上げる」という形でも構いません。やりやすい方を選んでください。
(4)最後は指で、優しく抜きましょう
特にコルクが長い場合、最後までこのテコの原理でコルクを抜き切ろうとすると、途中でコルクが曲がってしまい、折れてしまうことがあります。これを避けるために、ソムリエナイフでコルクを全て引き抜くのではなく、1cmほどコルクがボトルに残っている状態で引き上げるのを止めて、最後は手でコルクを抜きます。
下の写真のように、コルクを指でもち、左右に揺らしながらコルクを引き上げてゆきます。最後にコルクが抜けそうになったら、静かに隙間から空気を逃がすように、優しくコルクを抜きましょう。とてもエレガントです。
いかがでしょうか? キレイにコルクを抜くことができたでしょうか?
特に思い入れのあるワインを楽しむときには、ラベルはもちろん、キレイに抜栓されたコルクも記念に取っておきたいですね。
・キャップシールをキレイに切り取る3つのポイント
(クリックで過去記事へ)
・コルクを上手に引き抜く4つのポイント
これらを活かして、ワインをさらに気軽に楽しんでください。
庄司