2017/10/26
Wine
ワインの新酒、今年は「ホイリゲ」を楽しみませんか?
© AWMB/Lehmann Waqr
日本酒やワインラバーにとって、新酒の誕生を心待ちにする季節となりました。
新酒といえば、11月第3週の木曜日解禁のボジョレー・ヌーヴォーが有名ですが、それに先駆けて解禁される10月30日イタリアのヴィーノ・ノヴェッロ、11月1日ドイツのデア・ノイエ、11月3日山梨ヌーヴォー、そして11月11日オーストリアのホイリゲがあります。
オーストリアワイン大使(シルバー)の藤山が、オーストリアワイン・ラバーのきっかけとなった「ホイリゲ」の魅力をご紹介します。
ホイリゲとは?
ホイリゲには2つの意味があります。
ひとつはオーストリアの『ワイン酒場』、日本で言う居酒屋を指します。緑豊かなウィーン郊外にホイリゲが点在しています。春や夏には屋外のガーデン席でワインを楽しめます。
もうひとつは、その年に収穫してできたオーストリアの『新酒のワイン』を意味します。聖マーティンの日(収穫祭が行われる日で、冬の始まりとされる日)である11月11日から、1年間ホイリゲとして飲まれます。
ホイリゲの歴史は1789年に皇帝ヨーゼフ二世が、ウィーンのぶどう農家に、年間300日以内に限り自家製ワインを小売し、簡単な食事を供しても良い、という特別許可を与えたのが発端です。
日本では、日本酒の新酒解禁のサインとして、10月頃から“杉”でつくった玉を、軒先に吊りますが、オーストリアでも新酒の合図としてワイナリーが自分のホイリゲの前にある“松”の枝を吊るします。オーストリアと日本は遠く離れていますが、同じような風習があると親しみがわいてきますね。
ホイリゲの楽しみ方
「居酒屋」の意味のホイリゲでは、シュランメルン音楽が有名です。ヴァイオリンやアコーディオンの演奏をききながら、ワインを楽しめます。
初めてのオーストリア旅行前に、1814年のウィーン会議を背景に描かれた『会議は踊る』という映画をみました。当時のホイリゲの様子が楽しくロマンチックに描かれており、演奏とともに「新しい酒の歌」が陽気に歌われるシーンは幸福感に包まれます。
実際にホイリゲに行ってみると、今もそのカジュアルで気取らないスタイル、居心地の良さに魅了されました。特に驚いたのが、ジョッキでワインを飲んだり、自分で好きにワインをソーダで割って飲めること。日本でも白ワインのソーダ割りは「スプリッツァー」というカクテルとして知られていますが、オーストリア発祥というのは意外でした。のど越しもよく、爽やかな味わいはアルコールが苦手な方にもおすすめです。
「新酒」のホイリゲは、何と言ってもフレッシュな味わいが魅力です。
オーストリアは白ワインが有名で生産量も多く、ウィーンを代表するワインといえば、ゲミシュター・サッツという混植混醸の白ワインです。ひとつの畑に、少なくとも3つの高貴品質の白ブドウが植えられ、全てのブドウを同時に収穫とプレスをします。
また、近年では赤ワインのクオリティも生産量も上がってきていることから、オーストリアの赤ワインの代表選手、ツヴァイゲルトのホイリゲも日本で味わえるようになりました。
リーデルで味わうホイリゲ
現地で飲まれるように、気軽にジョッキでワインも楽しいのですが、新酒といえどもホイリゲ本来の“香りと味わい”を楽しもうと思ったら、ブドウの個性を感じることのできるグラスがほしいものです。
リーデルでは、ホイリゲの魅力を引き出すグラスで「香りと味わい」を体感していただくため、青山本店と名古屋店でグラス・テイスティング・セミナー(使用したグラスのお土産つき)を開催します。
250年の歴史をもち、ウィーンを代表するワイナリーのひとつ、「ツァーヘル」のホイリゲの白ワインと赤ワイン、そして同じくツァーヘルの2014年ヴィンテージのツヴァイゲルトの計3種類を異なるグラスでお楽しみいただけます。
名古屋店では、ドイツ料理レストラン『ツァ・ディーレ』によるオーストリア風オードブルをご用意します。ぜひこの機会にオーストリアワインとフードのマリアージュもお楽しみください。(名古屋セミナー詳細)
青山本店では、オーストリアワイン大使(シルバー)兼チーズプロフェッショナルの藤山が、ワインとチーズのマリアージュについてお話させていただきます。(青山セミナー詳細)
ホイリゲ解禁日から青山店、名古屋店、伊勢丹新宿店リーデル・コーナーでは、リーデルのグラスでツァーヘルのホイリゲ(白)を有料でテイスティングいただけます。
今年の新酒はぜひ「ホイリゲ」をお楽しみください!