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2018/04/15

Wine

4種類にわけられる純米酒。それぞれの特徴、ご存知でしたか?

「純米酒」とは、米と米麹、そして仕込み水から造られた日本酒のこと

お米から日本酒を造る……あたりまえのようですが、現在の日本酒の多くは、「すっきりとした味わいに仕上がる」「発酵などの管理をしやすい」などの理由から、造りの段階で醸造用のアルコールが加えられる手法がとられています。
コクのある味わいに仕上がることが多い純米酒。日本酒ファンの中には、「やっぱり純米酒」と、こだわる方もたくさんいらっしゃいます。

純米酒の種類は4種類

純米酒には、「純米酒」「特別純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」の4種類があります。
それぞれ、どのように造られるお酒なのか、そして、どのような味わいや香りの特徴をもっているのか、整理してみましょう。

精米歩合や造りによってさまざまな個性が光る純米酒

「精米歩合」とは?

日本酒の原料となるお米は、米粒の芯と外側とで味や風味が異なります。
旨味が凝縮しているのは、米粒の中心部分。米粒の外側は、お酒にした場合、雑味となる場合があるので、ご飯として食べるお米に比べると、かなり削って使われます。
この、原料米を削る割合を、「精米歩合」といいます。
たとえば「精米歩合30%」とは、米粒の外側を70%削り、中心の30%のみを原料として用いた、という意味になります。

「純米酒」

いわゆる「純米酒」は、米、米麹、仕込み水から造られた日本酒で、精米歩合の条件はありませんが、通常は70〜60%くらいの精米歩合の米が原料とされます。
米の外側に「雑味」があるとはいえ、それはまた個性ともなり得ます。したがって、精米歩合70%ほどの純米酒は、米の旨味をもち、しっかりとしたストラクチャーを備えた、腰の強いタイプの日本酒がほとんどです。
お燗に適したアイテムが多いのも「純米酒」の特徴です。

「特別純米酒」

「特別純米酒」は、精米歩合が60%以下、もしくは、一般的に食べられるお米の種類ではなく、日本酒を造るのに適した銘柄米いわゆる「酒造好適米」を50%以上使っていたり、長期発酵や特別な搾りなどの特殊な技術で造られたりした日本酒が分類されます。
米の旨味、醸造方法による個性など、原料と造りの調和がとれた、「いいとこどり」のアイテムが多いというのが、このラインの特徴です。

「純米吟醸酒」

「純米吟醸酒」は、精米歩合が60%以下。低温で、じっくりと発酵させる醸造手法を用いることにより、花や果物を思わせる華やかな香りがあらわれます。
味わいの特徴は、透明感のある爽やかさ。冷やし加減でいただくと、その実力を存分に味わうことができるでしょう。

「純米大吟醸酒」

「純米大吟醸酒」は、精米歩合が50%以下。吟醸酒と同じく、低温で、じっくりと発酵させてあります。
米粒の芯のところを贅沢に使っているだけに、研ぎ澄まされた旨味が特徴。吟醸酒と同じく華やかな香りを持ちますが、旨味も強く、香りと味わいがバランスをとって、全体の印象はとてもおだやかで、品格さえ感じさせてくれます。

 

リーデルがめざす「純米酒グラス」プロジェクト

現在、リーデルでは、大吟醸酒・吟醸酒には、「大吟醸/ホワイトワイン」グラスをおすすめしています。
縦長のボウル形状は、吟醸・大吟醸酒特有のみずみずしくフルーティな香りを感じやすく、かつ、爽やかな咽喉越しをお楽しみいただけます。また、果物や花の香りをもつ吟醸・大吟醸酒は、白ワインとも通じる特徴があるため、白ワイン用のグラスとしてもお使いいただける優れものです。

大吟醸グラス

しかし、大吟醸酒・吟醸酒には、醸造アルコールを加えた通常の大吟醸酒、吟醸酒と、米と米麹を原料とした純米大吟醸酒、純米吟醸酒があり、それらは微妙に味わいが異なります。

現在、リーデルでは、純米酒に適したグラスをつくるプロジェクトが始動中。近い将来、純米酒の個性を正しく表現できるグラスが、お届けできるかと思います。どうぞ、ご期待ください。

  • 髙山 宗東muneharutakayama
  • ワインコラムニスト・歴史家・考証家・有職点前(中世風茶礼)家元

専門は近世史と有職故実。歴史的観点を踏まえてワインのコラムなどを執筆。
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