2020/04/13
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ワイングラスを揃えるならまずこれ!ブランド・アンバサダーがおススメする、家飲み満足度を最大化するワイングラスの選び方。大事なのは◯◯◯◯です!
みなさん、こんにちは。リーデル・ブランド・アンバサダーの庄司です。
今回は、ご自宅でのワインの楽しみをより大きくしてくれる、必須のワイングラスをご紹介します。
「もし庄司がワインバーをオープンするとしたら、必ず揃えたいグラス」です。
これからご紹介するグラスがご自宅にあれば、買ってきたワインがどんなにマイナーな品種でも、複数品種のブレンドでも、ラベルデザインに「ビビッ」と反応してのジャケ買いでも、ヴァラエティ豊かなワインを幅広くカバーできる。かなり優れものの組み合わせ、ということになります。
そう、ワイングラス選びで重要なのは、この「組み合せ」!
「白赤で2種類あれば十分では?」「なぜ4種も必要なの?」この疑問に対する答えのポイントは、次の3点です。
1)白ワインは「スッキリ系」と「こってり系」でワインとグラスを使い分ける
「白ワインのイメージは、スッキリしていて、飲みやすい」という方が多いのではないかと思います。春から夏にかけて、キリッと冷やした白ワインはとても美味しいですよね。そんな、フルーティな香りと、豊かな酸味が爽快なスッキリ系白ワインには、オーソドックスなタテ長・卵形の白ワイングラスがぴったりです(近年では、温暖化の影響なのでしょうか、ワイン生産者からはよりボリュームのあるサイズのグラスが要望されることも多いようです)
<パフォーマンス> リースリング(2個入)(#6884/15)
でも、白ワインの中には「スッキリ」とは全くキャラが違う「こってり」タイプもあります。そのひとつが「木樽で熟成させた」白ワインです。
香り豊かなオーク樽で熟成させることで、フルーティなだけでない複雑な香りになりますし、味わいにも柔らかさがもたらされます。いわゆる「リッチで複雑、まろやかでいてボリューミー」な白ワインになるのです。
このタイプの白ワインは特に、バターや牛乳・クリームを使ったお料理には抜群の相性で楽しませてくれます。
このタイプのワインを楽しむには、いわゆるこれまでの「中ぐらいの大きさで、縦長の卵形」をした白ワイン用グラスは、全く不向きなのです。
リーデルでは、この「木樽で熟成させた白ワイン」専用のグラスが各シリーズにラインナップされています。その代表が「オークド・シャルドネ」というグラス。全体的に赤ワイングラス的なサイズ感で、横に長い卵形、飲み口の口径がとても大きなグラスです。<パフォーマンス> シリーズでは、このボウル形状がモダンに進化しています。
<パフォーマンス> シャルドネ(2個入)(#6884/97)
「スッキリとしたシャープな味わい」に最適な縦長の卵形。そして、「リッチで複雑、ボリューミーでこってりな風味」に特化した横長の卵形。リーデルの各シリーズには、この2タイプがラインナップされています。
「スッキリ」と「こってり」は料理にも共通して使われるわかりやすい表現ですが、料理とワインをこの「スッキリ」「こってり」同士で合わせるのは、基本的なセオリーです。「料理とワイン」だけでなく、「ワインとグラス」も同じカテゴリー同士合わせれば、さらにワインの個性が引き出されます。
「料理 × ワイン × グラス」このトライアングルで共通項を持たせる。ワインとフードのペアリングで、一番重要なポイントです。
2)「こってり白」用のグラスでピノ・ノワールを飲むと・・・大変なことに・・・
この「こってり系」のグラス <パフォーマンス> シャルドネ はかなり大ぶりなグラスですから、一見「赤ワイン用のグラス?」と思われるかもしれません。
けれども、注意が必要です。従来の「オークド・シャルドネ」グラスは、10代目のゲオルグ・リーデルが「赤ワインの敵」とまで呼ぶほど、赤ワインには不向きなグラスです。
もし、グラスのサイズだけを見て、このシャルドネ・グラスに赤ワインを注いでしまったら。。。
その時はきっと「赤ワインは渋いから苦手」という方の気持ちがよ〜くわかるはずです。そのくらい、このグラスは赤ワインの「酸っぱい」や「苦い・渋い」をかなり強く感じさせてしまうのです。
3)「ピノ・ノワール」と「カベルネ/メルロ」実は完全に正反対のグラスです。兼用はオススメできません。。。
庄司がどうしても揃えたい4種のグラスが、ひとつのセットになっているのが、「テイスティング・セット」。
<パフォーマンス> テイスティング・セット(#5884/47)
この中には、3つの大ぶりなグラスが含まれていますが、その中のひとつは「白ワイン(こってり系)」用のグラスです。くれぐれもお忘れなく。
Tasting Set のパッケージにプリントされた4種のグラス
では、大ぶりなグラスの残りの2つはといえば、これはもう、赤ワイン用ブドウ品種の両横綱「ピノ・ノワール」と「カベルネ・ソーヴィニヨン」用のグラスです。
この2つのグラス。大きさは同程度なのですが、その機能は全くの正反対。残念ながら、どちらか一方で兼用はできません。今話題の高速マラソン用の厚底シューズで、100mの世界新記録を狙うことはできないのと同じなのです。
それぞれのグラスについて、ものすごく縮めて特徴をまとめました。
「赤系果実」の香りをしっかりとキャッチして、「果実味と豊かな酸味」のバランスを整える「ピノ・ノワール グラス」。
<パフォーマンス> ピノ・ノワール(2個入)(#6884/67)
かたや「カベルネ・ソーヴィニヨン グラス」は、「黒〜赤系果実」の香りを土台に、過度に香りを集約させすぎず、複雑な香りを再現。「凝縮感のある果実味と酸味」のバランスを整えて、「豊かなタンニン」を柔らかく感じさせてくれる。
<パフォーマンス> カベルネ・ソーヴィニヨン(#6884/0)
もし家飲みワインに、こんな違和感を感じたら
★「この価格でこの凝縮感!」という謳い文句で買ったけど、思ったよりも重くないな・・・
★テイスティング・ノートには「オーク」「バニラ」「オリエンタルスパイス」「ミント」なんて書いてあったけど、果実系の香りの強さに比べて、複雑さをあんまり感じないな・・・
★「豊かな酸味とミネラリティがエレガントな優しい抽出」というけど、どちらかというと「酸っぱい」「えぐみ」を強く感じちゃう・・・
もしこれまで、赤ワインを飲んでこう感じたことがあったら、グラスが原因かもしれません。
ワインに対するネガティブな印象は、ワインとグラスを間違って組み合わせてしまうと起こりがちです。そのくらい、「この2つの赤ワイングラスは、機能も性格も正反対なグラスなんだ」ということを覚えておいてください。
<パフォーマンス> カベルネ・ソーヴィニヨン(左)とピノ・ノワール(右)
世界の様々な産地の幅広いタイプのワインを、その時の気分や、合わせるお料理に合わせて楽しみたいという方にとって、グラス選びで大切なのは「組み合せ」。できるだけ守備範囲の広くなるコンビネイションのグラスを選ぶと、ワインの楽しみがさらに広がるはずです。
Let’s Try Riedel Glass Tasting at Home!!!
青山本店内のテイスティング・カウンター
リーデルの各店、特に青山本店、銀座店、名古屋店では、日々グラス・テイスティングを体感していただけます。(※現在は閉店中)
詳しくはリーデル公式HPをご覧ください。
また、例えば仙台の素晴らしいワインショップ兼ワインレストラン「ブウション」さんをはじめ、グラスの重要性への深い理解をお持ちのワインショップさん、レストランさんなどでも、このグラス・テイスティングを開催して頂いていますので、もし機会がありましたらご参加ください。でも「まだ実際に体験したことがない」という方も沢山いらっしゃいます。
このブログでは、今回ご紹介した「テイスティング・セット」を使って、ご自宅でグラスとワインの不思議な体験をしていただくための簡単な解説を予定しています。もし、この機会に「家飲みレベル向上プロジェクト」として、ご自宅用のグラスを検討されているというかたは、この「テイスティング・セット」をオススメします。