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2019/02/12

How to

【リーデル わいん部】003_ワイングラスを安全に拭くための3つのポイント

【リーデル わいん部】動画第3弾は 「ワイングラスを安全に拭くための3つのポイント」です。

ワイングラスを安全に拭くための3つのポイント
1)グラスの持ち方
2)手で拭かず「クロスの塊」で拭く
3)「ひねる」 ではなく 「なでる」

 

それでは、順に見てゆきましょう

1)グラスの持ち方:

何と言っても、グラスを洗ったり拭きあげる際に、一番重要なのがこれです。
グラスの持ち方です。

まず、大前提となるのが 「ワイングラスは、ねじれの力に弱い」 ということ。
グラスケアにおいては 「いかに、グラスにねじれの力を加えないか」 がすごく重要なのです。

それに加えて、ワイングラスの構造上、特に繊細な部分が 「細いステム(脚)」 と 「薄い飲み口(リム)」 なんですね。

ところが、グラスを拭くときにこの「台座(ベース)と飲み口」、言い換えると「グラスの端と端」をもって、ひねるように拭くと、「ステム」と「飲み口」の両方にねじれの力が加わってしまう危険性があるんです。

▼ですから、できるだけこの持ち方は避けていただいた方が良いのです

「でも、バーテンダーさんとかソムリエの方は、上の写真のように拭いてますよね?」 

そうなんです。けっこー多くのプロフェッショナルが、この「台座と飲み口」を持って、ひねるようにしてグラスを拭く「ひねり拭き」をやってます。

お客様と会話しながらとか、何気なーく簡単に拭いているように見えているんですが、実はこの拭き方、かなりの技術があってこそ。これまでに何千、何万という数のグラスを拭き上げてきて身につけた、絶妙な力加減、グラスの形状やサイズに合わせた手の動き、これがあってこその「ひねり拭き」なんですね。

ですので、この「ひねり拭き」というのは「プロフェッショナルならではの拭き方」といっても良いかもしれません。

特にワイングラスの取り扱いに慣れていない初心者の方々は、この「プロのひねり拭き」を見て、そのまま取り入れないようにしてくださいね。
グラスの寿命が短くなってしまいかねません。

では、グラスを拭くときには、どう持ったら良いのでしょう。

▼それが、これです

この、ボウルのお尻の部分を手のひらで包む、まずはこの持ち方からスタートしてください。

このようにグラスを持てば、ステム(脚)部にねじれの力が加わることは絶対にありませんので、安心です。「ねじれの力とは、左右の手の間に発生する」・・・って、誰かが言っていました。

これでステムはもう安心です。あとは、もう片方の繊細な部分である「飲み口」に意識を集中して、ここにねじれの力が発生しないような拭き方をすれば良いわけです。

2)手で拭かず「クロスの塊」で拭く:

今回は、特にオススメしたい「2枚拭き」でグラスを拭いてゆきます。

▼クロスを2枚使用して、左右の手に1枚ずつクロスを当てて、2枚のクロスで包むようにグラスを拭いてゆきます。直接手で触れることなくキレイに、しかもより安全にグラスを拭き上げることができます

▼庄司はたいてい、台座(ベース)から拭きはじめます

▼その後、ステムを軽く拭いて・・・

▼で、そのままの流れで、左手で台座を持ちながらボウル部を拭いてしまう・・・という方々が意外に多いようなのですが・・・この持ち方は、「ステム」「飲み口」両方に危険があるんでしたね

▼必ず、(1)でご紹介した基本の持ち方に持ち替えてください

それでは、ボウルの内側を拭いてゆきます。
ここで、2つめのポイントです。

ワイングラスのボウルは、基本的に卵型をしています。
飲み口がすぼまっています。

▼ボウルの底の部分までしっかりと拭きたい、という気持ちが強すぎて、ボウルの中に手を無理に入れ込もうとすると、薄い飲み口に強い力が加わってしまい、危険です

▼ボウルの内側を拭くときには、手を入れるのではなく、まずはクロスを「ふわっ」と入れてゆきます。
「ギュッ」と詰め込むのではなく、「ふわっ」とです。

ここで「2枚拭き」のアドバンテージが活きてきます。

「2枚拭き」だと、丸々1枚のクロスをボウルの中に入れこむことができます。
これによって、ボウルの中にできるクロスの塊がとても大きくなるんです。

この「クロスの塊」が大きい方が、圧倒的に拭きやすい。

手の小さな女性の方でも、ボウルの底の部分にまでクロスがしっかりと当てられた状態で、拭くことがきるんです。

▼「クロスの塊」に指を添えてボウルの中で回転させることで、ボウルの内側を拭いてゆきます。4−5回まわせば、キレイに拭き上がります。

3)「ひねる」 ではなく 「なでる」

最後のポイントは、ボウルの外側の拭き方です。

ここでも、基本は同じ。
クロスを「ひねる方向」ではなく「タテ方向」に動かす方が、危険度は小さいということ。

▼ですから、クロスでボウルの飲み口を挟んで、ひねるようにして拭く、のではなく、
クロスをボウルに軽く当てて、タテ方向に、撫でるようにして拭くのです。

この拭き方、ちょっと野暮ったいかもしれませんが、
間違っても、薄い飲み口に「ねじれ」の力が加わらない拭き方ですので、
危険度はできるだけ低く抑えることができます。

・ワイングラスの取り扱いにまだ慣れていない
・過去にワイングラスを壊してしまって、トラウマになってしまっている

なんていう方には、この「なで拭き」をオススメしたいです。

 

「ワイングラスを安全に拭くための3つのポイント」をぜひ上手に取り入れて頂き、愛用のグラスを長く使って、ワインをたくさん楽しんでください。

庄司

  • 庄司 大輔Daisuke Shoji
  • (社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ/リーデル社 ワイングラス・エデュケイター

1971年神奈川県生まれ。明治大学文学部文学科卒業、専攻は演劇学。 塾講師、レストラン勤務などを経て、1998年(社)日本ソムリエ協会公認ソムリエ呼称資格取得。1999年にボルドー地方サンテミリオンの「シャトー・トロットヴィエイユ」で学ぶ。2001年リーデル・ジャパン入社、日本人初の「リーデル社グラス・エデュケイター」となる。リーデルグラスとワインの深いつながりやその機能を、グラス・テイスティングを通して広く伝えるため、文字通り東奔西走している。
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