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2017/09/05

Restaurant

初めてのレストランで失敗しないためのメニュー選択

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さて、「脱サラソムリエが本音で語るレストラン利用術」の11回となる今回は、前回のメニューの選択についての記事を、少し掘り下げて書いてみたいと思います。

メニューの選択にあたっては、ご自身の好きなものをお選びください、と申し上げましたが、そのヒントとして、「こちらのお店のスペシャリテは何ですか?」とか「今の季節のおすすめ料理はありますか?」と聞くのも良い方法です。

最初の訪問の際には、その店のスペシャリテ、あるいは人気商品を確認してみるのは良い方法でしょう。お寿司でもそうですが、旬の食材を楽しむのも美食の楽しみの一つであり、その質問により、旬の食材を知ることが出来るのも良いですね。

それでも、私自身は、自分の食べたいものを食べることが多いです。たとえば、フランスの三ッ星レストランで、数十年続く伝統のスペシャリテ「カエルのムースリーヌ」を食べた時は、正直それほどの感動を覚えませんでした。写真で見ていて、それほどではなさそうだと思いつつ。「スペシャリテ」の名前に惹かれましたが、外しました。逆に、食べたことはないのですが、別の三ッ星レストランのカエルのスペシャリテは、パセリのソースとニンニクのピューレ添えが、私の好みの匂いぷんぷんですので、行ったら試したいと思っています。結局のところ、自分の意思で選ぶことが大切であり楽しさにつながるのだと思います。

ワインについては今後掘り下げて書きますが、今回頂いた質問に「ワインを選ぶ際に自分でいくつかを指定して、どれがいいかを尋ねるのはどうか?」というものがありました。これはとっても良い方法だと思います。その時点でソムリエとしてはお客様の嗜好がかなり見えてきますから、お客様にとってベストと思えるものを提案しやすくなります。さらにその方からは、ソムリエの個人的な嗜好も含めて提案を受けた場合には、そのワインを選ぶようにしていて、そうするとその後のサービスが良くなるような気がする、とのご指摘もありました。確かに、「私はこれが好きなんですが・・・」といわれたものを選択する、と言う行為はそのソムリエの提案に乗ったわけで、当然ソムリエとしては嬉しいものです。ですからその後のサービスが良くなるような気がするのは、まんざら間違えではないと思います。

私自身は、その数本のキャラクターの違いを説明して、お客様に選んで頂くようにします。あえて提案するとしたら、お料理との相性で選びます。また、ワイン好きのお客様なら、最後の1本のような貴重品を逆にプッシュしてお楽しみ頂くこともあります。

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「大切なのは、決して店のスタッフを自分より下に見ないことである」とのコメントも頂きましたが、まさにその通りだと思います。お客としての私は常にスタッフに敬意をもって接してきましたし、食とワインのプロに教えを請うつもりでいました。現在、お客様にお仕えする側にかわりましたが、生意気ながら、お客様とは対等な関係を目指しております。したがって、私を含めて店のスタッフに横柄な態度を取る人に対しては、失礼ながら、相応の態度で臨まざるをえません。幸い、アンバロンのお客様はこちらが恐縮するくらい腰の低い方ばかりなので、そのような問題が発生することは稀有ですが。

あとはお店に行く時の心構えとして、「オシャレをしていくこと」をあげていらっしゃる方もいました。これは重要だと思います。それがカジュアルなビストロであれ、グランメゾンであれ、舞台に立つ俳優としての心構えでお店に出かけ、かつ振舞うことは勝利への道の一歩だと思います。かつて読んだ本の受け売りとなりますが、レストランの席の配置にあたっては、その日のご予約状況に応じて色々考えたうえで選定するのですが、入っていらした瞬間に、素晴らしい雰囲気のお客様の場合、当初予定を瞬時の判断で変更し、他のお客様からの注目度が高い席にお通しすることがあるそうです。ゴージャスなレストランにはそこに相応しい華のある服装で、カジュアルなビストロには、シンプルながらセンスの感じられる服装で臨まれると何か良いことがあるかもしれませんね。

「脱サラソムリエが本音で語るレストラン利用術」の過去記事はこちら
第10回 お店とWin-Winの関係を構築できるVIP 客になるために
第9回 ドリンクの値段を聞くのは野暮なこと?
第8回 お店の人に一目置かれるアペリティフのオーダー方法
第7回 接待でデキる幹事がおさえておくべき3つのポイント
第6回 上座と下座、どちらに座る? 着席までの美しい振る舞い方

ビストロ アンバロン(BISTRO EN BALLON)

〒106-0031
東京都港区西麻布1-9-7

TEL:03-6438-9699
http://bistroenballon.com/

  • 両角 太郎bistroenballon
  • ビストロアンバロン オーナー

金融業界21年間のサラリーマン時代の食べ手としての経験を生かし、「自分が最も通いたい店」として2009年12月にビストロアンバロンを開店。ミシュランガイド「ボンヌ・プティット・ターブル」にて赤フォークとビブマークの両方の評価を得ている西麻布のフレンチビストロ。
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