2017/12/21
Restaurant
ワインをオーダーする際に最初に考えるべき3つのポイント。
前回はメニューの構成の仕方についてご紹介しましたが、「脱サラソムリエが本音で語るレストラン利用術」の14回となる今回はワインの選び方についてお話ししましょう。
ワインも飲みたいものを飲めば良い、というのが大前提ではありますが、そこに「料理とワインのマリアージュ(仏語で「結婚」の意味)という考え方を入れると、よりワインと料理のハーモニーが増すと思います。
以前「お店の人に一目置かれるアペリティフのオーダー方法」の回で、入店 → アペリティフの選択 → 食事の選択という流れをご紹介しました。
通常であれば、この後はアペリティフを頂きながら、会話を楽しみつつ、食事が来るのを待つのですが、是非この段階でワインの選定をして頂きたいと思います。ワインの選択肢が少ないお店ですと、白はすべて冷蔵庫で冷やしてある場合もありますが、ワインの種類が豊富なレストランではワインはセラーで保管してあり、15度前後であるため、白ワインを選んだ場合、冷やすのに5-10分程度時間がかかります。
ですから、ホストの方は食事の選定を済ましたら、是非ソムリエにワインリストを持ってくるように指示してワインの選択を始めてください。
料理にワインをどう合わせるか?これは順列組み合わせ的には無限大の可能性がありますが、まず最初に考えるべきことは
・グラスで色々飲むのか?それとも、ボトルで頼むのか?
・ボトルで行く場合には、何本くらい飲むのか?
・ソムリエに任せるのか、自分で選ぶのか?
ということです。
1. グラスで色々飲むのか?それとも、ボトルで頼むのか?
一般的には、グラスワインはロスが出た場合のコストを考えて割高な価格設定になっている場合が多いので、沢山召し上がる場合にはボトルの方がお得なことが多いですね。また、グラスワインの種類がどの程度あるのかも、考慮すべきポイントです。ビストロアンバロンのように、グラスが白赤それぞれ5種類程度あって、かつ、値付けもボトルと変わらない場合には、選択肢が増えますね。アンバロンでは、少人数の場合にはグラスで適当にお任せで、とおっしゃる方も多く、およそ半数のお客様はグラスで色々お楽しみ頂いております。
2. ボトルで行く場合には、何本くらい飲むのか?
これも、多くの方はとりあえず最初に飲みたいものをご注文されるケースが多いと思いますが、メンバーが旧知の仲ですと最初に何本飲むのか、そして、予算はどのくらいにするのかを考えると全体の流れが綺麗に作れます。ご自身で選ぶ場合でもソムリエに頼む場合でも、そうしたベースラインを先に決めるとワインの流れに変化が付けやすくなります。たとえば、白1本赤2本でトータル20,000円、となると、平均的に7,000円程度のワインを選定してもいいですし、5,000円、6,000円、9,000円とメリハリをつけて選ぶことも可能になります。そのうえで、ついついもう1本!ということはあると思いますが。
3. ソムリエに任せるのか、自分で選ぶのか?
田崎真也さんが「そのお店のワインを一番知っているのはその店のソムリエだから、ワインの選択はソムリエに任せる」と著作に書かれていました。ご自身の好みと予算を伝えていくつか選択肢を提案してもらうのは良い方法だと思います。あとは自分で気になるワインをいくつか選んだ上で、その違いをソムリエに聞いてみるのも良い方法だと思います。
大切なことは、食事の最初の時点で、その日のワインの流れの大まかなイメージを作っておくことです。
「脱サラソムリエが本音で語るレストラン利用術」の過去記事はこちら
第13回 ビストロオーナー直伝! 味のバリエーションを変える通な料理の選び方。
第12回 1〜2月が狙い目!コスパの高いワイン会企画術
第11回 初めてのレストランで失敗しないためのメニュー選択
第10回 お店とWin-Winの関係を構築できるVIP 客になるために
第9回 ドリンクの値段を聞くのは野暮なこと?