2017/12/25
Food
チーズに合わせるなら赤ワイン?白ワイン?
前回の「ソムリエが本音で語るレストラン利用術」ではチーズの注文の仕方について書きました。今回は、チーズとワインのマリアージュを取り上げます。
極端かもしれませんが、基本的に「チーズに合うワインは白ワイン」と思っています。ワインと料理のマリアージュの際にも料理とワインは、素材ではなく、色で合わせた方が相性が良いと書きました。チーズの色は何色でしょうか?白ですよね?もちろん、赤ワインに合うチーズもありますし、甘口のワインが合うチーズもあります。
レストランで、「ワインが残っていらっしゃるので、チーズはいかがですか?」と勧められることがあります。チーズを勧められる段階で残っているワインは、赤ワインであることが多いと思います。赤ワインには、熟成した白カビチーズのカマンベールやブリドモー、あるいは、ウォッシュチーズなどがおすすめです。タンニンの強い赤ワインですと、チーズも相当熟成し、アンモニア臭を感じるクラスでないと赤ワインに負けてしまいます。熟成しエレガントなニュアンスが出始めた高級な古酒であれば一般的なウォッシュチーズにも合いますが、そのクラスの赤ワインは単独で楽しみたくなります。「残った赤ワインにチーズ」を単に勧めるのはソムリエのセールストーク、と言える場合があるかもしれません。(と書くと自虐的ではありますが。)
デザートの前のチーズ、もしくはデザートの代わりとしてのチーズには、新たに1杯のワインを頼むのが理想的です。
「チーズの産地の白ワイン」が定石ですが、2つの楽しみ方をご提案
1. 辛口のジュラのサヴァニャン
酸化熟成させたワインはシェリーの香りが漂い、酔いがまわっていてもしっかりとした味わいを楽しめます。ナッツの風味は、コンテのようなハードチーズや、モンドールのようなウォッシュチーズにも合います。山羊のチーズのように癖のあるタイプにも負けないでしょう。
2. 各種甘口のワイン
(なかでも甘さが中程度で酸もある、ロワールの貴腐ワインやアルザスのゲビュルツトラミネール)
ロックフォールのように塩分が強いブルーチーズや、苦みもあるチーズには、ボルドーの貴腐ワインを合わせるのが黄金則と言われてきましたが、その応用です。カジュアルな甘口はブルーチーズ全般に合いますし、山羊のチーズとも相性が抜群です。
おすすめのチーズとワイン、ぜひ楽しんでみてください。
「ソムリエが本音で語るレストラン利用術」の過去記事はこちら
第17回 意外と知らない?フランス料理でチーズを食べるタイミング
第16回 着目すべきは料理の色。 「魚=白ワイン」「肉=赤ワイン」だけではないユニークなマリアージュ
第15回 できるお客様の第一歩!レストランでのスマートな支払い方法
第14回 ワインをオーダーする際に最初に考えるべき3つのポイント
第13回 ビストロオーナー直伝! 味のバリエーションを変える通な料理の選び方。
第12回 1〜2月が狙い目!コスパの高いワイン会企画術
第11回 初めてのレストランで失敗しないためのメニュー選択
第10回 お店とWin-Winの関係を構築できるVIP 客になるために
第9回 ドリンクの値段を聞くのは野暮なこと?